【フィギュア】紀平梨花バースデー告白「気持ちが引き締まります」21日で19歳

オンライン取材に応じた紀平

21日に19歳となるフィギュアスケートの全日本女王・紀平梨花(トヨタ自動車)が本紙の独占取材に応じた。金メダルを目指す2022年北京五輪まで、あと半年あまり。先日に披露したフリーの新プログラム「タイタニック」への思い、東京五輪の注目選手、知られざる過去の苦境と目の前の壁を乗り越えていく覚悟…。3年連続となるバースデーインタビューで、大人の入り口に立ったヒロインが「10代最後の決意」を激白した。

――もうすぐ19歳。どんな心境か

紀平 19歳になったら、あと1年で本当の大人になってしまう…って感じで、ちょっとヤバいです(笑い)。この1年は本当に時が過ぎるのが早く感じました。気が付いたらこんな年齢になってしまって。ちゃんとした大人にならなきゃって、気持ちが引き締まります。あと、お姉ちゃん(萌絵さん)には最近、「あか抜けたね」って言われましたね。

――来季のフリーは「タイタニック」。あのポーズが大反響だ

紀平 最近、初めて映画を見たのですが、やっぱりあの両手を広げるポーズは誰もが知っている名場面なので、フィニッシュにふさわしいと思いました。そして、衣装もあのポーズをしている時のローズ(英女優ケイト・ウィンスレット)をイメージしました。もう衣装はコレしかないって迷わず決まりましたね。ローズらしい強くて美しいイメージが表現されているし、デザインがすごく私の好きな感じで、とても気に入っています。

――ジャック役のレオナルド・ディカプリオみたいな男性はどうか

紀平 アハハハ、えー、分からない(笑い)。どうなんだろう…。

――そもそも好みの男性のタイプは

紀平 えーっと、どちらかというと、見た目はワイルドより清潔感がある方がいいですかね。俳優さんだったら山﨑賢人さん、新田真剣佑さんが好きです。でも、一番は中身だと思います。考え方がしっかりしている人がいいですね。私に優しいだけじゃなくて、全ての人に対して正しく、しっかり接したりしている人。私も普段からそう意識しているので、そこは大事かなって思います。

――東京五輪がもうすぐ開幕。注目の選手は

紀平 大坂なおみさん。面識はないですけど、インスタをフォローしていて、頑張っている姿を見ていますので。あと、体操の内村(航平)さん。昔から活躍されているのを私も拝見していますが、長く第一線で続けていることを尊敬しています。すでに十分な成績を残しているのに、さらに上を目指すって、やっぱりすごい選手だなぁと思います。今回は聖火ランナーとして五輪の火をつなぐ立場になり、五輪をより強く感じられました。東京五輪に出場する方たちへ応援の気持ちを込めて走らせていただきました。

――今、腰痛という苦難に直面している

紀平 北京五輪までの波を考えると今は大きく下がっていると思います。でも、私は今まで良かった試合の8割は、その前が絶望だったんです。ケガによるピンチは何回もありました。ジュニアのグランプリファイナルでは公式練習の着氷でガクンって首をひねって痛くて動けなかったけど、いい演技ができました。19年のジャパン・オープンの時は封印していたルッツを1回だけ練習で跳んだら、その1回で左足に激痛が走りました。試合直前のアップでは左足に体重をかけないようにして…。でも周りに言わず、意地で演技して何とかうまくまとめる演技ができました。

――なぜ内緒に

紀平 あまり言いたくないんです。19年の四大陸選手権でもフリーの前に指を亜脱臼って発表したんですけど、実は2か所骨折していました。その時もフリーはノーミスで逆転優勝できました。今回のケガもつらくて、スケートが嫌になった時期もありましたが、そういう逆境をたくさん経験したので、今回も私は壁を乗り越えられると思っています。

――北京五輪で自分が表彰台のテッペンにいるイメージは

紀平 いや、私はいいイメージを作り上げて結果を出すというより、逆に現実を見て「そんな簡単じゃないぞ」って自分に言い聞かせたり、「もし失敗したら…」と、失敗した際の状況を想像してみたりして、失敗したくないから頑張る、みたいに考えます。理想だけを見るより、今ある現実の自分をどう少しでも上げるか、どう成長させるか、そうやって冷静に自分と向き合ってきました。だから、今の現実をしっかり受け止め、どう乗り越えるか?だけを考えて前に進みたいと思います。

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