ヤリスWRC駆るロバンペラが初日首位。勝田は15番手も首位と1.9秒差/WRCエストニア

 7月15日、WRC世界ラリー選手権第7戦エストニアが開幕し、競技初日のデイ1でSS1が行われた。全長1.64kmのショートステージ1本のみで争われたこの日は、シェイクダウンでもトップタイムを記録したカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)がベストタイムをマークし総合首位に立っている。今戦が母国凱旋ラウンドとなるオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)は総合8番手ながら、首位との差はわずか0.9秒だ。

 2年連続でWRCイベントとしての開催を迎えたラリー・エストニア。そのオープニングステージは、ザ・フライングブルズの展示飛行などが実施され、同国のケルスティ・カリユライド大統領も出席した盛大な開会セレモニーに続いて行われた。

 エストニア第2の都市、タルトゥを舞台にスーパーSS形式で行われたこのSS1では、同日に行われたシェイクダウンで最速タイムをマークしたロバンペラがスピードを維持。合計24本のSSが設定されたラリーのオープニングステージを制した。

 20歳のフィンランド人ドライバーに続いたのは、昨年の大会で2位となったクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)で、ロバンペラとのギャップは0.1秒。さらに0.3秒遅れてMスポーツのテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)が3番手につけた。

「日曜日に(最終的な)結果が出ると思うが、いつものラリーと同様に自分にできる精一杯の走りをするつもりだ」と語るのは、史上最年少優勝の権利を有するロバンペラ。

「ここでのドライブは僕のお気に入りのひとつ」と述べたエストニア在住の彼は、「プッシュするのが好きなラリーだから、戦えることを願っている」と続けた。

 ロバンペラと0.4秒差の3番手となったスニネンもまた、エストニアに居を構えるフィンランド人ドライバーのひとりだ。彼はタイトな右コーナーでラインが膨らんだことで若干のタイムを失った。これがなければ同郷の後輩をタイムシートで上回っていた可能性もある。

 そんなスニネンの後方にはWRC2クラスを戦うヤリ・フッツネン(ヒュンダイi20 R5)とマッズ・オストベルグ(シトロエンC3ラリー2)、僚友のガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)、さらにアレクサンダー・ルキヤナク(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)の4名がトップと0.6秒差のタイムで並んだ。

 地元凱旋のタナクがこれに続き首位と0.9秒差、僚友ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)と並ぶ総合8番手タイとなった。選手権リーダーのセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)は総合10番手、勝田貴元は首位から1.9秒おくれの総合15番手でラリー初日を終えている。

 トヨタのエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)は総合19番手、ヒュンダイ・2Cコンペティションのピエール・ルイ・ルーベ(ヒュンダイi20クーペWRC)は総合21番手だ。

 本格的なグラベル(未舗装路)ラリーが始まる16日(金)のデイ2は、日中のサービスを挟みながらSS2~9が行われる。4本のステージは前回大会でも使用されたが、今大会に向けていくつか変更もあり、SS4と再走ステージのSS8“カネピ”では昨年と進行方向が反対になっている。8本のSSの合計距離は128.24km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は443.04kmだ。

クレイグ・ブリーン/ポール・ネイグル 組(ヒュンダイi20クーペWRC) 2021年WRC第7戦エストニア
テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC) 2021年WRC第7戦エストニア
ザ・フライング・ブルズの編隊飛行
ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC) 2021年WRC第7戦エストニア
オット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC) 2021年WRC第7戦エストニア
ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) 2021年WRC第7戦エストニア
セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第7戦エストニア
勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第7戦エストニア
エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第7戦エストニア
ピエール・ルイ・ルーベ(ヒュンダイi20クーペWRC) 2021年WRC第7戦エストニア

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