子どものコロナワクチン接種 悩む保護者、決断難しく 副反応の不安根強く、夏休みや受験…接種時期は

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 小中高校生も新型コロナウイルスワクチンを接種した方がいいのか、それとも-。熊本県内の保護者らが、頭を悩ませている。熊日が実施した「SNSこちら編集局」の公式LINEアンケートでは、接種を希望する人は約半数、「希望しない」が3割、「分からない」が2割だった。いずれの場合も副反応への不安が根強く、接種の時期も難しいという声も上がった。(清島理紗、内海正樹)

 本人や保護者が、最も恐れているのが副反応だ。これまでの調査では、若い世代ほど症状が出ることが分かっている。「もし血栓ができたり、副反応が起きたりしたら怖い」と大津町の10代男性。人吉市の40代女性は「自分は5月に接種したが、まだ腕の痛みがある。子どもには接種させたくない」と、自らの体験から慎重になるという。

長期的影響は

 接種直後だけでなく、長期的な影響や安全性への不安も根強い。「まだ成長段階の子どもに、どれだけの負担があるのか」(嘉島町、40代女性)、「ワクチンの治験が短く、1、2年後の結果がわからない」(宇城市、30代女性)などの声が多かった。

 「ウイルスはどんどん変異している。接種しても効かない恐れがあるのでは」(熊本市、50代男性)など、感染力が強いとされる「デルタ株」など変異株へのワクチンの効果に疑問を持つ人もいる。「12歳だが、周りの子どもより小柄。大丈夫だろうか」(熊本市、40代女性)など、子どもの体格差も判断を難しくしている。

学校側の対応

 接種の時期も気をもむ要因だ。熊本市は当初、夏休みの集団接種を検討していたが取りやめた。国は「学校での集団接種は推奨しない」との方針を打ち出しているが、「中学生と高校生、それぞれに予約や付き添いは大変。学校でまとめてしてほしい」(菊陽町、40代女性)という声もあった。

 「発熱の可能性が高いと思うので、ゆっくり療養できる夏休みを利用したい」(熊本市、40代女性)、「受験生なので、いろいろな予定と重ならないか不安」(益城町、40代女性)など、接種計画を立てる難しさは大人以上。「自分の高校は、副反応などで休む場合、公欠または出席停止扱いになる」(熊本市、10代女性)などのように、学校側の対応も求められる。

分かれる意見

 親子やきょうだいで意見が分かれる家庭もあった。対象年齢の子ども2人がいる菊池市の30代女性は「1人は接種したい、1人はしたくないと言っている。親としてどちらが正しいとも言えない」と迷う。八代市の40代女性は「基本的に本人の意思を尊重したい。自分で意思決定できるように、分かりやすく伝えていきたい」。

 「さまざまな情報があり、どれを信じていいか分からない。自分自身で判断するしかない」と宇城市の50代男性。同調圧力への懸念やワクチンを「打たない自由」を訴える声もあった。

周りの大人が予防を 駒木小児科クリニック(熊本市中央区)の駒木智院長(60)

 新しいワクチンの治験は通常5年、10年といった長い時間がかかる。新型コロナのワクチンは非常に高い効果が得られるが、長期的な影響はまだ分からない。子どもは感染しても、軽症か無症状のケースが多いとみられる。年齢で線引きするのは難しいが、重症化する場合が少ない以上、中学生以下は積極的に勧める理由はない。周りの大人が接種し、予防に気を付ければよいと思う。

クラスター防止にも みずもとこどもクリニック(同市西区)の水元裕二院長(63)

 デルタ株の影響もあり若年層が感染する可能性は高まっており、接種して抗体をつけるのには意味がある。ぜんそくや糖尿病など慢性疾患がある子どもは自分を守るためにも接種するメリットがある。部活動でのクラスターを防ぐためにも接種は有効ではないか。副反応の懸念もあるが、100%安全なワクチンはない。メリットとデメリットをてんびんにかけて、親と本人で判断してほしい。

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