手術支援ロボ「ダヴィンチ」導入 佐世保市総合医療センター 長崎県内2番目

佐世保市総合医療センターが導入した手術支援ロボット「ダヴィンチ」。左側がアーム部分で、右側が操作機器=佐世保市平瀬町

 佐世保市総合医療センターは本年度から内視鏡手術の支援ロボット「ダヴィンチ」を導入した。長崎県内では長崎大学病院に続き2番目。前立腺がんと直腸がんの手術で使用している。
 同センターによると、ダヴィンチは米国メーカーが開発。日本には約400台が配置されている。手術器具の鉗子(かんし)や内視鏡が付いたロボットアーム4本を手術台に設置し、医師が操作機器の前に座って立体画像を確認しながら患部の切除や縫合などをする。
 アーム先端は360度動き、手ぶれがなく、緻密な作業が可能。出血を大幅に抑えることができるほか、力仕事が減るため、医師の負担軽減にもつながる。
 同センターは約3億5千万円の最新型を導入。維持費は年間約1600万円と見込む。医師3人が操作資格を取得し、5月下旬から使用を開始。患者計14人(7月15日時点)が手術を受け、術後も良好という。
 保険適用の手術が対象で、年内に胃やすい臓のがんにも使用する方針。泌尿器科、消化器外科、呼吸器外科、婦人科の手術にも順次拡大する。
 ダヴィンチ導入を進めた中村昭博副院長は「都市部へ遠出せず、地元で最新の医療が受けられる。患者と家族の負担も減る」と期待。増崎英明理事長兼院長は「将来的に離島の手術をセンターで遠隔操作できるようになるかもしれない夢の技術。今後も先進医療の導入に力を入れる」としている。

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