候補者が「言っていること、してること」で投票先を決めてみる(データアナリスト・渡邉秀成)

若年有権者の投票率が低いといわれます。実際には最初に投票権を持つ18歳の投票率は高いのですが、19歳以降、30歳弱までの投票率が低い傾向にあります。

ただ、若年有権者の投票率が他の年代より低いのは今に始まったことではありません。過去の衆議院議員選挙の年代別投票率をグラフ化したものが下記になります。

図1_年齢別投票率推移

 

このグラフは各選挙の全体の投票率ゼロにして、全体の投票率よりも各年代の投票率が高ければピンク色、そうでなければ水色で表示しています。一貫して、若年有権者層の投票率が低いことがグラフからもわかります。(また、平均投票率に追いつく年齢が徐々に高くなっている傾向もわかります)

ただ、若年有権者層の投票率が低いのにも理由があります。

1つ目として若年有権者の親が選挙で投票していなかった場合、その子供も投票しない傾向が強いというものがあります。

図2親の投票行動子の投票行動

言葉をかえれば、親が投票所に足を運んでいる場合、その子供が選挙権を持ったときにも投票する可能性が高いというものです。

2つ目として、誰に投票してよいのかわからない、すなわち政党の政策や候補者の人物像に違いがよくわからないというものが、投票を棄権した理由としてあげられます。

図3_選挙を棄権した理由

誰に投票してよいかわからない場合はどうするのか?

そのような場合は投票を棄権するのではなく、これまでに約束を守ってきた候補者、政党かどうかで投票先を決定するのも、一つの方法です。ではこれまで約束を守ってきた候補者か、政党かをどうやって判断すればよいのでしょうか?各政党は選挙時の公約をウェブサイトに掲載しています。

これらのサイトに掲載されている内容を見て、過去に主張していた約束が、今現在実現できているのかどうかを判断して、実現できていれば、その政党、候補者に投票するというものです。
(ご自身が関心のある分野だと、各政党の公約が実現できているかどうか判断しやすいと思います)

この作業には少しの時間が必要となりますが、誰を国会や自治体の代表として選ぶかは、国や自治体ごとの新型コロナウィルス感染症対策を見ても、ご自身の生命身体財産の安全を確保できるかどうかに影響してくること実感として理解できると思うので、時間を少し使ってもいいのではないでしょうか?

また、テレビ等マス・メディアで頻繁に目にする政党、候補者等が、過去のブログ記事、SNSでどのような発言をしていたのかをチェックしてみてもいいでしょう。人はどうしてもたくさん目にする情報に対して影響を受けがちですが、よく目にする人が過去から現在に至るまで、どのように発言が変化しているのか?を確認すると新しい発見があるかもしれません。

繰り返しになりますが、2020年から続く新型コロナウィルス対策を見ても、どのような人物が首長であるかで、
大きく対応が異なることが明らかになりました。きちんと現実課題に向き合うことができる候補者、自身の見解変更について、理由を述べることができる候補者を議会に送り出すことで、自身の安全を守ることに繋がることになるのではないでしょうか?

誰に投票してよいのかわからない場合には、投票を棄権するのではなく、各政党、各候補者が過去に約束したことを実際に実行したのかどうかを政党、候補者の過去のウェブサイト、SNSの書き込みをチェックして、「言っていることと、していること」が一致している候補者、政党に投票してみてはいかがでしょうか。

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