プロ野球解説者・鈴木孝政が語った「故・大島康徳氏との思い出」

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東海ラジオ『大澤広樹のドラゴンズステーション』(火～金17:15～)7月13日の放送で、プロ野球解説者の鈴木孝政氏が、6月30日に70歳で亡くなった大島康徳氏との思い出について語った。

鈴木氏は、大島氏の4年後輩で、ドラゴンズで15年間ほど一緒にプレーした。鈴木氏が入団当時、すでに1軍のレギュラーだった大島氏について「1軍選手の雰囲気を持っていて、スポーツ刈りがよく似合っていて、自分よりずいぶん年上に見えた」そうだ。

しかし、だんだん大島氏のことを知るにつれて「向こうのほうから近づいてきてくれた。そういう人。話がいつもオーバーで面白くて声が大きかった。そういう印象だった」と振り返った。そして、野球に関しては「高校から野球を始めた(それまではバレーボール)という話はずっとしていた」とのこと。

さらに鈴木氏は「一流になった選手の中で、一番『自分は野球が下手だ』という認識を持っていた人。その分、一生懸命にやる人だった」とも話した。2204安打382本塁打という成績を残した大島氏だが、守備には課題があったようで、それが「野球が下手だ」という発言につながっていたようだ。

実際に、鈴木氏が、大島氏の発言を実感する試合があった。ピッチャー鈴木、サード大島、鈴木氏は、ピンチを迎えたときに「サードゴロを打たせたくないなあ」と思いながら投げていた。そう思えば思うほどサードに打球が飛ぶ。その試合で大島氏は、2度続けてタイムリーエラーをした。

そのときの大島氏は、マウンドに行き、鈴木氏に謝りながら「孝政、ちょっとグラブを取り換えてくれ」と言った。その発言は、決して冗談ではなく、大島氏の本心だったが、鈴木氏は「何を言ってるんだ、この人」と驚いた。驚いたが、そのとき鈴木氏は「この人は本当に一生懸命やっているんだと思った」。

また、星野仙一氏が投げた試合では（星野氏は大島氏のことを「ヤス」と呼んでいた）サードに打球が行くと、その瞬間に「ヤスっ!!」と大きな声をかけた。大島氏が捕球すると「そう！そう！そう！そう!!」続けて「ステップ踏んで!!」一塁に送球してアウトになると「よーしっ!!」と叫んだ。

星野氏のその声はベンチにもよく聞こえていたという。まるで、少年野球のコーチのようだが、ピッチャーとしては、心配でしょうがなかったようだ。大島氏のエピソードを披露しながら鈴木氏は「本当に一生懸命やる。必死でやっていたんだなあ」とドラゴンズの名選手を偲んでいた。

※放送情報は変更となる場合があります。