「婚活はお金がかかる」を解消 恋活バスツアーのサブスク開始、3000円で〝出会い放題〟

「婚活はお金も時間もかかる」―。そんな課題を解決するため、観光バス事業を行う平成エンタープライズ(埼玉県志木市)は「恋活バスツアー」が乗り放題になるサブスクリプションサービスを開始した。ツアーの企画を担当した同社の経営企画部・後藤菜穂子氏と旅行部・阿部和美氏が恋活現場のリアルを語った。

都内を走るオープントップバスのイメージ(提供写真)

同社代表取締役社長・田倉貴弥氏の「婚活はお金も時間もかかるものだと思っていて、安く何度でも挑戦できるものにしたい」という考えから実現したサブスクサービス。複数回参加できることで「今回1回だけで成功させなきゃとか、いい人見つけなきゃという気持ちから解放されて、楽な気持ちで臨めるのではないか」との意図がある。

サービスに申し込むと女性は月額3000円、男性は同6000円で、申込日から同月末の土曜日まで何度でも、毎週土曜日にバスツアーへ参加できる。1カ月間で最大4回の乗車チャンスがあり、「女性の場合は(1回あたり)1000円以下で回れるというお得感がありますね」(阿部氏)と、同社の条件が近いツアーと比較しても低価格なプランになっているという。

過去の恋活バスツアー参加者の様子(提供写真)

同社はこれまでも単発の恋活バスツアーを実施し、過去には参加者の男性から「次も行くから絶対にやってね。今日はちょっとダメだから、次頑張るから」と〝再チャレンジ〟の要望があったという。「その方は他社のものも行っているみたいで。婚活とか恋活が趣味みたいな、行くのを楽しんでいる感じがありました。実際にしょっちゅう行く、あれば行くみたいな人もいるみたいですね」と後藤氏は明かした。「恋活」は恋愛活動の略語。「まだ真剣に婚活までいくつもりはないけど、出会いがあったらいいなという方にも来ていただくため『婚活』よりも『恋活』としています」(阿部氏)と、気軽に参加しやすい雰囲気を打ち出している。

参加者は屋根のない2階建てのオープントップバスに乗り、約3時間をかけて都内を周遊。途中で縁結びに効果があるとされる神社で下車し、チームに分かれて〝恋愛運アップ〟を祈願する。道中では男女が隣り合って座り数分ごとに座席をチェンジするほか、仲を深めるための独自プログラムが用意されているという。

開放感あふれるオープントップバスは景色を楽しめるだけでなく「密閉」も防げる(提供写真)

阿部氏は、恋活バスツアーの参加人数について男女各「12~13人くらいがいい」と話す。これまでに試験的に開催した短時間のバスツアーで合計約40名が参加した回は、席替えの回転が早いため1人あたりの会話時間が短く、利用者の満足度も低かったという。「印象だけで決めないといけなくなってしまって、多すぎて逆に選べないことがあった」(後藤氏)と分析し、人数を各13名に減らして再開催したところ、1組のマッチングに成功した。

ビュッフェで会食する恋活バスツアーを開催したこともあった(提供写真)
過去の恋活バスツアーで山梨県を訪れた参加者たち(提供写真)

今月から開始したサブスクサービスは緊急事態宣言の影響もあり、受け付けていた予約がキャンセルに。7月はまだ開催できていないが、8月もサービスを提供する予定だという。

(よろず~ニュース・今井 佳奈)

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