【東京五輪】スポーツメーカーも苦境「苦情の電話は来ていますよ」 

〝開幕秒読み〟にもかかわらず逆風は強まる一方…

東京五輪の開幕まで5日となった中、アスリートたちをサポートするスポーツメーカーが苦境に立たされている。

本来であれば、五輪はアスリートに自社製品を使用してもらい、性能や魅力をアピールする格好の場。しかし、新型コロナウイルス禍で1年延期となった東京五輪への風当たりは強く、反対デモが頻発するなど開幕直前になっても中止を求める意見が出ている。

東京五輪のスポンサー企業の間では「あえて目立たないようにしている。『スポンサーはあざといな』とか言われてしまうから」との声も聞かれるが、スポーツメーカーの商品はいわばアスリートの〝戦友〟だ。当然、露出を減らすことはできない。

そのため、あるスポーツメーカーの関係者は「うちは(商品を)隠そうと思っても隠せない」と頭を抱えた上で「やっぱり苦情の電話は来ていますよ」と顔をしかめた。

さらに、東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長が「多くのキークライアント(スポンサー)が来場できなくなる」と説明しているように、各スポーツメーカーの来場者数も大幅に制限される。同関係者は「五輪の開幕が間近なのに、マーケティング部の人たちもどこまで現場に行けるかまだ決まっていない」と不満をのぞかせた。

〝五輪貴族〟への厚遇ぶりが際立つ東京五輪。もはやいったい、誰のための祭典なのだろか…。

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