“いじめ自慢” 小山田圭吾 まだ抱える「爆弾」 政界からは自らケジメ求める声

さらにダメージを負いそうな小山田圭吾

東京五輪・パラリンピックで開会式の楽曲制作を担当するミュージシャンのコーネリアスこと小山田圭吾(52)が、過去の〝いじめ自慢〟を雑誌インタビューで話していた問題の炎上が止まらない。18日には、インタビューを掲載した雑誌の編集長が謝罪文を発表し、障害者支援団体は本件の問題点を指摘した。ほかにも過去の〝失言〟があるとウワサされるなど、鎮火の気配は全く見られない――。

小山田がいじめを告白したのは「ロッキング・オン・ジャパン1994年1月号」(ロッキング・オン)と「クイック・ジャパンvol.3」(太田出版)だ。いじめの内容は、小学校時代、障害者の同級生を跳び箱の中に閉じ込めたり、マットレスでぐるぐる巻きにして窒息寸前にしたりしたというもの。ただそれ以上に、そんな壮絶ないじめを得意げに話す態度が問題視された。

18日になってロッキング・オン・ジャパンで、当時編集長を務めていた山崎洋一郎氏が公式サイトで声明を出した。

「その時のインタビュアーは私であり編集長も担当しておりました。そこでのインタビュアーとしての姿勢、それを掲載した編集長としての判断、その全ては、いじめという問題に対しての倫理観や真摯さに欠ける間違った行為であると思います」

また掲載した責任を「引き受け続けなければならない」としたうえで、いじめの被害者や家族、そして読者に謝罪した。

一方、知的障害者の権利擁護と政策提言を行う「全国手をつなぐ育成会連合会」は18日、公式サイトで小山田の件についての見解を発表した。

「あれだけ露悪的なインタビューが公表されているにも関わらず、なぜ小山田氏が自身を『いかなる差別も禁じる』としている五輪憲章を掲げるオリンピック、そして障害者アスリートの祭典であるパラリンピックの楽曲提供を担当するに相応しいと考えたのか、理解に苦しみます。同様に、そのような小山田氏を起用し、今般の事案を踏まえても留任させる決断をしたにも関わらずまったく公式な説明を行っていない東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会には、重い説明責任があります」と小山田、組織委を批判した。

大会開幕まで時間が迫っており、小山田も謝罪していることから参加取りやめまでは求めないとはしつつ「オリンピック・パラリンピックを楽しめない気持ちになった障害のある人や家族、関係者が多数いることについては、強く指摘しておきたいと思います」と記した。

ネットウォッチャーは「コーネリアスは当時、ほかの雑誌でもたくさんインタビューを受けています。ネットではほかにも不謹慎発言をしている雑誌があるのではないかとささやかれています」と明かした。

こうした状況に「楽曲担当を辞めるべき」との声が高まっている。都政関係者は「五輪憲章の精神に反しているので、辞めるべきです。特にパラリンピックの方は絶対やるべきではない。障害者をいじめていた人が楽曲担当なんて、当事者にどう思われるのか考えた方がいいです。五輪の方だって今からでも間に合うと思います」と強く訴える。

世論を気にする政治家たちもやきもきしてそうなものだが、森喜朗前組織委員会会長の女性蔑視発言や、エンブレムパクリ騒動のときに比べると政治家たちの関心は薄いという。とはいえ、世間の批判はその時以上で無視できそうもない。

政界関係者は「小山田氏の知名度の問題なのか、政治家で彼を知っている人が少ないので話題になっていない。事の重さなら今回のことの方が重いのですがね。小山田氏本人から辞任というけじめを付けてくれればいいのですが」と、自ら辞職することを望んでいた。

東京五輪の開会式は23日。海外でも小山田が話したいじめが詳しく報道され始めている。果たして組織委員会はこのまま本番に突っ込むというのか?

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