夫婦別姓「選択認めて」 市民団体 県議会文厚委で訴え

 結婚時に夫婦が同姓になるか、別姓でいるかを選べるようにする「選択的夫婦別姓制度」を巡り、県議会文教厚生委員会は15日、法制化を促す意見書を国に出すよう求める請願を提出した市民団体のメンバーを招致した。参考人の眞鶴さやかさん(35)は「ポイントは同姓か別姓かではなく、強制か選択か。困っている人を救う選択肢を与えてほしい」と訴えた。 団体は「選択的夫婦別姓・陳情アクション沖縄」で、共同代表の眞鶴さんと砂川智江さん(43)が出席した。結婚時に夫が改姓した眞鶴さんは「自分がしたくない改姓を愛する夫にしてもらい、罪悪感で押しつぶされそう」と告白。家族が夫の改姓に反対し、一時は疎遠になるなど、結婚までの苦労を語った。

 委員からは「選択性なので大いに認められるべきだ」(比嘉京子氏、てぃーだ平和ネット)、「それぞれ政党の立場があるが、意見書などで国に発信するのも大事だと思う」(上原章氏・公明)、「地方議会の中でも積極的に制度導入を求めることが必要だ」(玉城ノブ子氏、共産)など、肯定的な意見が相次いだ。

 一方、子どもの姓に関する懸念など、慎重姿勢を示す委員も。小渡良太郎氏(沖縄・自民)は賛成としつつ「制度が変わった時にどんな影響があるか、子どもの姓の問題は重要視していかないといけない」と述べた。砂川さんは事実婚や子連れでの再婚など、親子の名字が違うケースはあると指摘。「既に私たちの周りにも別姓の夫婦、親子は存在し、普通の家族を営んでいる」と話した。

 国際結婚との比較も話題となった。現在でも外国人と日本人が結婚した場合は、同姓か別姓かを選ぶことができる。石原朝子氏(沖縄・自民)は、自身の娘が国際結婚で別姓を名乗っていると説明。「沖縄の人同士の結婚の際、別姓ではこれまでの家族制度が壊れるのではないか、子どもへの影響は、と心配している人もいる。反対はしないが、段階的に検討しなければいけないと思っている」と述べた。

 参考人招致後、委員会として請願を継続審議とする方針が示された。

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