濱口竜介監督がカンヌ脚本賞の偉業! 現地でも「審査員を務めるような大監督になる」の評価

快挙を成し遂げた濱口竜介監督

カンヌ国際映画祭の授賞式が17日夜(日本時間18日未明)に開かれ、コンペティション部門に出品された「ドライブ・マイ・カー」(8月20日公開)の濱口竜介監督(42)と大江崇允氏(40)が脚本賞に選ばれた。日本人の同賞受賞は、これが初めてとなる。

濱口監督は脚本賞の発表前、オフィシャルの賞とは別に国際批評家連盟賞、独立興行者賞、エキュメニック賞(キリスト教系団体による賞)という、外部団体の賞を受賞した。映画誌の星取表でもトップだった。

濱口監督は東大出のインテリで、一度ADなどを務めてから、東京芸術大学大学院で黒沢清氏の門下に。昨年9月のベネチア国際映画祭では、脚本を担当した恩師・黒沢監督の「スパイの妻」が銀獅子賞、さらに2月のベルリン国際映画祭では、自身の監督作「偶然と想像」で銀熊賞、さらに今回、カンヌの脚本賞と1年足らずの間に3大映画祭で賞を取ったのも快挙だ。

カンヌ国際映画祭で脚本賞は、最高賞「パルムドール」、審査員特別大賞、監督賞に次ぐ賞と言われている。地元紙の予想記事で、最高賞に次ぐ審査員特別大賞の候補に挙げられていたが、濱口監督は「現地の評価が良すぎた。皆さんの期待が高まっていたので捉え方が難しい部分はありますけれど。でも誇らしい賞だと思います」と報道陣に話した。

濱口監督は、3年前にも「寝ても覚めても」でカンヌを訪れた。地元紙記者は「濱口監督の作品は本当にすばらしい。今回はもっと上の賞を取ると思っていたけどね。彼はいずれ、この映画祭で審査員を務めるような大監督になるんじゃないかな」と絶賛した。

濱口監督は「今回改めて(カンヌは)熱気が違う場所だと感じた。生半可なことではないが、いつかまたここに来られるような作品を作りたい」と落ち着いた口調で意気込みを語ったが、これからカンヌの常連となり、いずれ本当に審査員を務める日が来るかもしれない?

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