ア・リーグ西部地区4位のエンゼルス トレード市場での戦略は?

トレード・デッドライン(今年は現地時間7月30日)まで2週間を切った。すでに何件かトレードは成立しているが、今後デッドラインに向けてさらにトレードの動きが加速していくことになる。日本時間7月19日の試合が終了した時点で46勝46敗の地区4位、地区首位から9ゲーム差、ワイルドカード圏内から5.5ゲーム差という位置につけているエンゼルスは、トレード市場でどのように動くのだろうか。メジャーリーグ公式サイトでエンゼルスを担当するレット・ボリンガー記者がエンゼルスのトレード戦略を分析している。

まず結論から言うと、エンゼルスは売り手に回るか買い手に回るかをまだ決めていない状態だ。5月中旬にスーパースターのマイク・トラウトが故障離脱したにもかかわらず、大谷翔平の大活躍もあって勝率5割をキープしているエンゼルス。トラウト、アンソニー・レンドン、ジャスティン・アップトンといった故障中の高額年俸野手が7月下旬から8月上旬にかけて次々に戦列復帰を果たすため、トレード市場で投手の補強に動き、7年ぶりのポストシーズン進出を狙う可能性は十分にある。

ボリンガー記者は「エンゼルスが(現地時間5月23日以降に27勝19敗を記録している)現在のような戦いを続けるのであれば、トレード市場で買い手に回り、先発投手を中心に補強に動く可能性がある」と指摘。しかし、その一方で「ポストシーズン争いから脱落すれば、売り手に回ることを決断するだろう。特にクローザーのライセル・イグレシアスは優勝争いをするチームにとって魅力的な補強ターゲットになる」とも述べている。

そして、ボリンガー記者が出した結論は「エンゼルスがどのように動くかを知るにはまだ早すぎる」というもの。レンドンは故障からの回復が遅れているものの、アップトンとトラウトの2人は今月中に復帰できる予定であり、この2人が復帰してからの戦いを見て、最終的な判断を下すことになりそうだ。

とはいえ、エンゼルスの若手有望株は決して充実しているとは言えず、苦しい投手事情を劇的に改善するような大物投手の獲得は期待できない。買い手に回る場合は、投手の「補強」というよりも「補充」に近い形の動きになるのではないだろうか。

© MLB Advanced Media, LP.