長崎大水害から39年 東長崎中で防災授業 命守る行動 考える

木村さん(左手前から3人目)からアドバイスを受け、避難行動を話し合う生徒=長崎市立東長崎中

 299人の死者・行方不明者が出た1982年の長崎大水害から23日で39年となるのを前に、長崎市矢上町の市立東長崎中(川本哲也校長、769人)で14日、防災授業があり、1年生243人が台風災害を想定したグループワークを通し、日ごろの備えや避難行動への理解を深めた。
 東長崎・日見両地区では、八郎川の氾濫や土砂災害で計89人が亡くなった。地区住民でつくる「八郎川慰霊の灯(ともしび)実行委員会」が、防災意識を高めようと2年前から両地区内の小学校6校で防災授業に取り組んでおり、今回、東長崎中でも初めて実施した。
 委員長で防災士の資格を持つ木村武夫さん(41)=矢上町=が災害の知識や心構えを講話。生徒は5人程度の班に分かれ、気象情報を基に台風接近前の準備や行動を話し合った。警報発令など状況が刻々と変わる中、いかに自分や家族の命を守るかを考えた。中田悠貴さん(13)は「災害が起きたときにどう行動するか、役立つ2時間(の授業)だった」と話した。
 同委員会は、子どもたちがメッセージを記す灯籠作りも実施。八郎川沿いの公園などで18日夜に開く慰霊祭で約700個を飾り、追悼の祈りをささげる。

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