【医師による相談アプリ】OTC薬購入を推奨/購入層では8割が体調改善/OTC薬協セミナーでリーバー社講演

【2021.07.19配信】日本OTC医薬品協会(OTC薬協)は7月19日、「セルフメディケーションの日シンポジウム 2021」を開き、この中で、医師による遠隔健康相談アプリを展開している株式会社リーバーの代表取締役・伊藤俊一郎氏が講演した。伊藤氏は、リーバーでは医師がOTC薬を製品名まで表示して推奨する仕組みがあり、利用者の17%が実際に購入し、購入した層では8割において体調が改善したと説明した。

リーバーは茨城県つくば市に本社があり、もともと心臓外科医だった伊藤氏が創業。アプリ上で医師が健康相談などを行うサービスを展開している。

伊藤氏自身が医師時代の休日当番医を担当した際に、90%がOTC医薬品でも対処が可能であったり、自宅で様子をみればよかったこともあり、リーバーは、受診する必要があるのかのトリアージの役割を持たせる意味があるという。

受診すべきか迷った時に医師に相談できる点がポイントといい、実際はチャットの問診に答えると、テキストで医師からアドバイスが届くという。30分以内に90%程度の返答ができているとする。

OTC医薬品にも医療用医薬品に遜色のない効果があるものがあることから、OTC医薬品の購入を医師が勧める機能があるといい、具体的な商品名まで表示されるとする。
ユーザーの中でOTC医薬品を医師に勧められて購入まで至ったケースは17%。「まだ私たちの努力が足りない面もある」(伊藤氏)としながらも、一方でOTC医薬品を購入した層では約8割で体調改善がみられたとの回答があり、OTC薬活用のメリットが表れているとした。
なお、リーバーを利用して「安心した」との回答は76%あるという。

つくば市などと協働して、無料で市民にこのアプリをダウンロードしてもらう取り組みも進展しており、コロナで呼吸が苦しいなど深刻な症状なのに受診を控えてしまう人などの情報もリアルタイムで共有できたとした。

コロナ禍もあり、遠隔健康相談だけでなく体温などの健康管理機能も併せて利用してもらうケースが増えているといい、小中学校や企業などの利用も進んでいるという。

伊藤氏は、オンライン診療では時間の削減につながらない一方で、リーバーのような遠隔健康相談ではトリアージ機能を発揮することで医療の効率化にもつながるとの考えを示した。

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