【やまゆり園事件5年】「決して忘れない」津久井やまゆり園、新園舎で追悼式

追悼式で黙とうする参列者=20日午前、相模原市緑区の津久井やまゆり園

 相模原市緑区の神奈川県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件で、犠牲になった19人の追悼式が20日、再建された新園舎で開かれた。26日で事件から5年。参列者は黙祷して冥福を祈り、差別や偏見のない共生社会の実現を誓った。

 事件の風化を防ぐために県が設置した鎮魂のモニュメント(慰霊碑)も公開。遺族の同意を得られた犠牲者7人の名前がヤマユリの花の絵とともに刻まれている。

 追悼式は県、相模原市、社会福祉法人かながわ共同会が主催し、遺族9人を含む43人が参列した。

 黒岩祐治知事は「障害者の社会参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除する『ともに生きる社会かながわ』の実現に向けた歩みを揺るぎなく進める」と式辞。追悼の辞で家族会の大月和真会長は「私たちはあなた方のことを決して忘れません」と犠牲者に呼び掛け、「いつも空から見守っていただいているとの気持ちで前を向いてまいります」と述べた。式後には慰霊碑で遺族らが献花。午後1時から5時まで、一般の献花を受け付ける。

 追悼式はこれまで市内のホールで開催してきた。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止され、今回は2年ぶりとなる。

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