河野太郎氏のひと声で混乱 2大ワクチンに大差…ファイザー品切れ、モデルナは在庫余り

河野太郎大臣

河野太郎行政改革担当相は19日の日本テレビ番組で、新型コロナウイルスワクチンの供給減を補うための追加調達はしない考えを示した。「世界的にワクチンの需要が高まり、全く打てていない国もある。日本だけ『よこせ』と言うわけにはいかない」と述べた。職場接種については「お盆明け以降からそれなりのスピードで再開できる」と語った。

河野氏が先日、米ファイザー製ワクチン供給減を踏まえ、ワクチン接種が予想を上回る速度で進んでいる自治体に対してペースを緩めるように求めたこともあり、自治体の予約停止や延期が相次いでいる。

ファイザー製ワクチン不足について、千葉県市川市の「藤巻耳鼻咽喉科医院」の藤巻豊院長は「市川市ではまだ、65歳以上の高齢者のワクチン接種が終わっていないのに、市川市から『これ以上、予約を取らないでくれ』とストップがかかっている。市に『これでは7月中に高齢者のワクチン接種は終わらない』と言うと、『国に聞いてくれ』、そして国は『自治体に任せている』と責任のなすりつけ合い。こんな状況では、65歳以下のワクチン接種がいつになるのか、見通しが立ちません」と語る。

一方、職場接種ではモデルナ製ワクチンを使用している。

都内のクリニックに勤務する医療従事者は「大手給食配給会社は6月28日から職場接種を開始し、最大約3万人を予定。接種対象者はグループ会社に勤務する従業員と同居の家族のうち、接種を希望する方としていました。ところが、確保したワクチンがかなり余ったみたいで、社員に『家族以外の誰でもいいから連れて来なさい』とワクチン接種する人を集めているんです」と明かす。この矛盾について、医療ジャーナリストは「自治体のファイザー製ワクチン不足は深刻ですよ。その一方で職場接種のモデルナのワクチンが余っている企業がある。政府の配分方法に問題があると医療従事者から指摘する声が上がってます」と話している。

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