夏の本格的なレジャーシーズン到来を前に、上越消防署は19日、上越市のなおえつ海水浴場で海洋水難救助訓練を実施した。水難救助隊、指揮隊、消防隊から24人が参加し、要救助者の捜索から救助まで実際の現場を想定して行った。
同署によると管内では本年度、19日時点で水難事故2件が発生、うち1件が海。近年はプレジャーボートでの事故が多いが、過去に海水浴で死者が出たこともあるという。
訓練では、海水浴客1人が沖に流されたと想定。浮きを発射する救命索発射銃で救助した後、さらにもう1人が沈んでいると判明し、水難救助艇が現場へ急行。ドローンによる上空や陸上からも捜索し、海中から引き上げた要救助者を救急搬送した。
横田里美署長は「実際の現場では、もっと波が高く風が強いことも多い。訓練を通じて万全の体制で備えるとともに、海水浴に来る方には子どもから目を離さない、遊泳禁止の場所に入らないなど、決まりを守って楽しんでほしい」と呼び掛け。水難救助隊の中村俊広隊長は「沖に流れる離岸流に巻き込まれたら、海岸と平行に泳いで離れてほしい」と万一の対応を説明。「スピードが求められる水難救助。事故無く楽しんでもらうためにも、しっかりと備えたい」と語った。