平和大使に千羽鶴20年 今年も1万5000羽 長崎県五島市の藤原さん 亡き友を思い 「できることを続けたい」

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高校生平和大使に贈る千羽鶴を作った藤原さん=五島市玉之浦町

 20年以上、高校生平和大使に千羽鶴を託している五島市玉之浦町の藤原良子さん(83)が、今年も1万5千羽を完成させた。折るきっかけをくれた長崎市の友人が5月に死去。気落ちしてしばらく手に付かなかったが、赤、青、黄…と一枚一枚丁寧に折り続けた。友人の姿をまぶたに思い浮かべながら。
 藤原さんが千羽鶴を贈り始めたのは2000年。これまでで累計30万羽以上に上る。09年には平和分野で地道な活動を続ける個人、団体を表彰する「秋月平和賞」を受賞。亡き母と姉が被爆者でもあり、一羽一羽に平和への願いを込め、毎日折り続けている。
 きっかけは、長崎市の友人の孫が、国連欧州本部に核兵器廃絶を求める署名を届ける高校生平和大使になったこと。その友人が今年5月、97歳で他界した。
 約50年前、息子同士が同市内の病院に入院した際、同じ病室で知り合って以来の付き合い。藤原さんが息子を亡くした時には、同じように悲しみ、優しく励ましてくれた。悲報に接した後は「気落ちして1週間ぐらい(鶴を折るのが)手に付かなかった」。
 「やめてもいいんじゃない? でも頑張ってね」。生前、藤原さんのことを気遣いつつも、千羽鶴作りを応援してくれていた友人のことを思い、「続けなければ」と再開。赤、青、黄色など10色の千羽鶴を15本作り上げた。
 例年、高校生平和大使が五島へ受け取りに来るが、新型コロナの影響で昨年に続き宅配便で送った。同大使派遣委員会の平野伸人共同代表は「藤原さんの折り鶴は素晴らしく、国連などでも喜ばれる。地道な作業に敬服する。大切に利用させていただきたい」と話した。
 藤原さんは「誇りと言ったら大げさだけど、千羽鶴を作ることが私の生きがい。平和のため、高校生のため、自分のため、できることを続けたい」と話した。