ボッシュ・フォルクスワーゲン、高精度マップ向けリアルタイム情報収集開始

ボッシュは7月15日、フォルクスワーゲン「Golf 8」を運転することで、ボッシュのロードシグネチャーに情報を提供する機能を発表した。センサーからの実際の交通データを駆使してマルチレイヤー高精度マップを提供し、マップを常に最新の状態に維持するという。

自動運転には、高精度のデジタルマップと車両がマップ上でどこにいるのかを詳細に把握する必要がある。ボッシュのロードシグネチャーは、これらを可能にするサービスだ。レーダー、カメラ、車両の動きに関するデータをもと、車両の位置推定と制御のために、一般的なマップとも互換性のあるレイヤーを追加する。

ロードシグネチャーの初期サービスは、2023年以降に提供開始予定だ。走行中のデータを利用してロードシグネチャーを常に拡張し、最新の状態に維持することを計画している。自動運転レベル2(ハンズフリー機能)以上を装備した車両で潜在能力を最大限に発揮するが、それより低いレベルでもメリットをもたらすという。

フォルクスワーゲンは、欧州において「Golf 8」によるデータ取得を開始しており、他の車両もこれに続く予定だ。今回のソリューションではサラウンドセンサーを使い、道路標識、ガードレール、縁石、車線マークなどの各種の目印情報を生成する。データは匿名化され、車両からフォルクスワーゲンのクラウドを経由してボッシュのクラウドに転送される仕組みだ。

さらに、こうしたデータをベースとして、デジタルツインを生成する。サラウンドセンサーから提供される情報と、デジタルツインの情報とを、リアルタイムで比較。これにより、高精度マップに関連づけながら、数十センチメートルほどの精度で正確に車線内の車両の位置推定が可能だ。レーダーを使用することで、霧、雨、雪などの悪天候時でも確実な位置推定ができる。

また、ロードシグネチャーには、道路の形状、車線のレイアウト、道路標識、制限速度の情報も含まれている。車速、操舵角、車輪速度などの車両の動きに関するデータを利用し、カーブやUターンなど特定の場所での典型的な運転行動も考慮する。将来的には、こうした情報も車両に提供し、自動運転を可能なかぎり自然で、快適で、安全なものにするという。

■ボッシュのクロスドメイン コンピューティング ソリューション事業部長マティアス・ピリン 氏のコメント

「パートナー企業とともに、着々と未来のモビリティに道を開くことができ、光栄に思います。現在でも未来でも、情報を提供する車両が増えれば増えるほど、自動運転や運転支援向けのデータベースが充実し、ロバスト(堅牢)なものとなります。」

(出典:ボッシュ Webサイトより)

© 株式会社自動車新聞社