お中元商戦 本格化 高級食材が人気 コロナ禍、在宅時間の充実求め

県産品などが一堂に並ぶ中元品コーナー=長崎市、浜屋百貨店

 長崎市内の百貨店などで中元商戦が本格化している。各店は、8月上旬ごろまで特設売り場を設置。高級食材や、県産の個性的な商品を贈る人も増えている様子。新型コロナウイルス禍の中で在宅時間を充実させてほしいと、贈り先を思いやる気持ちをうかがわせる。
 浜屋百貨店(浜町)は、8階催事場で約1200点を販売。県外の有名料亭の西京漬け(1万800円)など取り寄せグルメを贈答用と、自宅用に購入していく人もいるという。担当者は「(コロナ禍で)外食しづらい分、食卓を豪華にしてほしい、との思いがあるのではないか」と推測。
 このほか、ビールの詰め合わせは夏の定番として売り上げの上位を占める。水産加工品や菓子など県産品を自由に組み合わせる同店オリジナルの「浜屋小箱まごころ重ね」も人気だ。
 ゆめタウン夢彩都(元船町)は、他店より一足早い5月上旬から地下1階に特設コーナーを設置し、約700点を扱う。担当者は「(中元品)は一度に買ってしまう傾向にあるので、先手を打ちお客さまを取り込む」と販売戦略を語る。今夏は果物など生鮮食品が好調で、例年に比べ1割ほど売り上げが増えている。県産の大島メロン(1玉2380円)や、干物のセット(5400円)が好まれている。購入額も上昇しており、「会えない人たちに気持ちを伝えたいという表れではないか」と担当者はみている。
 県物産館(大黒町)では、県内131事業者の約340品を扱う。売れ筋商品に偏りはなく、茶わん蒸しやビワゼリーなど、さまざま。コロナ禍の中「これまで来店していたお得意さまもファクスや郵送で注文するケースがある。在宅時間が増える中、(何を贈るか)自宅で吟味しているのではないか」と担当者。
 今年から販売する長崎名物ちりんちりんアイス(3240円)は、コーンとへらがセット。カタログのQRコードを読み取ると動画で盛り付け方の説明を見ることができる。県外の孫に「楽しく過ごしてほしい」と贈った客もいたという。
 担当者は「自身が慣れ親しんだ味を知ってほしい人が多い様子」と話した。

© 株式会社長崎新聞社