【東京五輪】小林氏の過去の問題発言 橋本会長「全く存じ上げておりませんでした」

橋本聖子会長(ロイター)

東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長と武藤敏郎事務総長が22日、メインプレスセンターで会見を行った。

開会式(23日)が前日に迫ったこの日、開閉会式の制作・演出を手掛けていた元お笑いコンビ「ラーメンズ」の小林賢太郎氏(48)の解任を発表。小林氏は芸人時代のコントで人の形に切った紙が数多く見られる場面を説明する際に「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」と表現し、ナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を連想させる発言をしていたことが明るみに出ていた。

これを受けて橋本会長は「開会式が目前に迫る中、このような事態となりご迷惑ご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪。発言については「深夜から朝方にかけて情報が入ってきて協議しはじまめした。全くそういうことが存在していたことは存じ上げておりませんでした」と話した。

小林氏の発言に関して、米国・ロサンゼルスに本部を置くユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は21日(日本時間22日)に「この人物が東京五輪に関わることは、600万人のユダヤ人の記憶を侮辱し、五輪・パラリンピックを残酷に嘲笑することになります」との声明を発表。事態を重く見た組織委は同日未明を協議した末、解任を決めたという。

19日には開会式の楽曲担当の小山田圭吾(52)が過去に複数のメディアで〝いじめ自慢〟をしていたことが問題視されて辞任。さらに文化プログラムのイベントに出演予定の絵本作家・のぶみ氏も過去の問題発言で辞任している。開幕直前に辞任、解任が続出している事態を受け、橋本会長は「責任を大変痛感しているところ。次々と問題が発覚し、かなり後手後手に回っている印象があることには反省している」と話した上で「大会全体を成功裏に実現するために、できる限りのことを全力で取り組んでいきたい」と語った。

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