【東京五輪】〝スネに傷〟は完全排除? 武藤氏「昔の行動を調査するのは困難」

武藤敏郎事務総長

開会式の前日、またもトラブルが発生した。東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長と武藤敏郎事務総長が22日、メインプレスセンターで会見を行い、開閉会式の制作・演出を手掛けていた元お笑いコンビ「ラーメンズ」の小林賢太郎氏(48)を過去の問題発言を理由に解任したと発表した。

小林氏は芸人時代のコント内で「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」などと表現し、ナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を連想させる発言をしていたことが発覚。橋本会長は「深夜から朝方にかけて情報が入ってきて協議しはじめました。全くそういうことが存在していたことは存じ上げておりませんでした」としたが、開会式前日の騒動には「責任を痛感しております」と沈痛の面持ちで語った。

19日には開会式の楽曲担当の小山田圭吾(52)が過去に複数のメディアで〝いじめ自慢〟をしていたことが問題視されて辞任。さらに文化プログラムのイベントに出演予定の絵本作家・のぶみ氏も過去の問題発言で辞任している。立て続けに担当者の〝過去発言〟がトラブルの引き金となったことに、橋本会長は「それぞれの立場で担っていただくアーティスト、ディレクターの過去を含め、バックグラウンドを調査しきれていなかったことは責任を痛感している」と話した。

小山田氏に関してはあまりにひどいイジメ内容に同情の声は少ないが、一方では「過去の問題発言はどこまで許されるのか?」も議論のテーマとなっている。武藤事務総長は会見中に「だいぶ前、昔の行動がどうだったか?を調査するのは実際、困難であると理解いただきたい」と説明。〝スネに傷〟を持つ人間の起用について、調査に限界があるとの旨を主張した。

なお、今後の進退を問われた橋本会長は「数々のスキャンダルを起こし、指摘されている組織委を指揮する責任者として、責任を痛感している」とした上で「明日(23日)、開会式を迎え、パラリンピックが終わるまではご迷惑をおかけしないためにも、やり通さなければいけないと思っている」と責務を全うする意向を示した。

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