リバプールがユネスコ世界遺産から登録抹消に 再開発による景観破壊を懸念

 エバートンの新スタジアム建設を含む再開発に伴い、リバプールのユネスコ世界遺産認定が取り消しとなった。

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 中国で開催されたユネスコ世界遺産委員会で投票が行われ、港湾地区の再開発により普遍的な価値が失われたとして登録を取り消しを発表。ユネスコは声明で、「リバプールの歴史的中心部とドックランズは、18世紀から19世紀にかけて世界の主要な貿易の発展の一つとして、世界遺産に登録された。また近代的な港湾技術や輸送システム、そして港湾管理は先駆的な発展を物語っていた」と言及。「世界遺産リストから削除されることは、国際社会にとって、また世界遺産条約下で国際的に共有されている価値観や約束にとって損失だ」と伝えた。

 リバプールは2004年に世界遺産に登録されると、港湾地区の開発計画に対する懸念を理由に、2012年には「危機に瀕している世界遺産」にリストアップされる。1978年に世界遺産登録が開始されて以来、取り消されるのはドイツ東部の古都ドレスデンとエルベ川流域に続いて3件目となった。エバートンは26日から5万2888人収容の新スタジアム建設を開始する予定で、クラブは登録抹消に関してコメントを避けている。

リバプールがユネスコ世界遺産から取り消し Photo Christopher Furlong

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