ソフト日本の救世主「ノーノーガール」 エース上野から“神継投”した20歳の秘密

好リリーフを見せたソフトボール日本代表・後藤希友(左)【写真:Getty Images】

ピンチ救った20歳の後藤希友、珍しいサウスポーは“実は右投げ”

■日本 3ー2 メキシコ(22日・1次リーグ・福島)

東京五輪のソフトボール1次リーグで日本は22日、延長タイブレークの末に3-2でメキシコにサヨナラ勝ちを収め、開幕2連勝を飾った。土壇場の7回にエース上野由岐子投手が同点に追いつかれ、なおも迎えた大ピンチを救ったのは、20歳の後藤希友投手(トヨタ自動車)だった。タイブレークの8回も踏ん張り、劇的勝利を呼び込んだ左腕の魅力とは――。

2-1の1点リードで迎えた最終7回。先発した上野が無死一、三塁のピンチを招き、中前適時打を許して試合は振り出しに戻った。ここでエースはマウンドを降り、継投したのが後藤。なおも無死一、二塁のピンチだったが、3者連続で抑えて流れを渡さなかった。

無死2塁から始まった延長8回のタイブレーク。先頭にバントヒットを許して無死二、三塁となったが、3、4番打者を連続で空振り三振に。四球を挟んで2死満塁となったが、最後は外角の変化球で見逃し三振に仕留め、絶体絶命のピンチを脱した。その裏、渥美の決勝打で勝ち越し。五輪2戦目で早くも激闘を演じた。

ソフトボールでは極めて珍しいサウスポーの後藤。実は、競技を始めるまでは「右投げ」だった過去を持つ。バスケットのドリブルも、ボールを蹴るのだって右だが、ソフトボールを始める際に母から「元々、左利きだから左投げに変えたら」と言われたのがきっかけだった。実際、右手でも遜色ない送球を見せるほど。高校時に測定した握力も左右差がほとんどなかったという。

伸び盛りのハタチは、快挙を達成して五輪の舞台にもやってきた。今年5月のリーグ戦で、豊田自動織機を相手にノーヒットノーランの快投。前日には同僚の三輪さくら投手がシオノギ製薬戦で完全試合を達成しており、2日連続での大記録だった。

開幕2戦目で早くも漂った“ラッキーガール”の予感。日本代表はこの後、横浜スタジアムに移動し、24日にイタリアと戦う。さらに25日にはカナダ、26日には米国と連戦が続く1次リーグ。39歳を迎えた上野とともに、後藤がソフト投手陣を支えていく。(Full-Count編集部)

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