【東京五輪】開会式直前のゴタゴタ…海外メディアもあんぐり「これでは賛成派も反対派になる」

東京五輪のメインプレスセンター

前代未聞の事態だ。開会式が前日に迫った22日、東京五輪・パラリンピック組織委員会は開閉会式の制作・演出を手掛けていた元お笑いコンビ「ラーメンズ」の小林賢太郎氏(48)を解任した。小林氏は芸人時代のコント内で「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」などと表現し、ナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を連想させたことが問題視され、解任に至った。

これで開幕直前になって3人目の辞任・解任となった。19日には開会式の楽曲担当の小山田圭吾が〝いじめ自慢〟が原因で辞任。その後は文化プログラムのイベントに出演予定の絵本作家・のぶみ氏も過去の問題発言が取りざたされて、チームを去った。開会式の担当者が立て続けに姿を消す異例の現象に、海外メディアからも「こんな五輪は初めて。理解できない」「日本の運営主体はどうなっているのか」と驚きの声が漏れる。

メインプレスセンター(東京・江東区)で取材に当たっている中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」のアンディー・リチャードソン特派員は「私は五輪を懸念していた人々も開会式の光景を見たら賛成に変化すると考えていました。しかし、今週になって作曲家がいなくなり、開会式の責任者が解雇されたり、不安要素が多すぎる。これでは五輪に好意的だった人たちも、逆に開催すべきでないと考えるでしょう」と感想を口にした。

国内でも批判が相次ぐ。組織委の橋本聖子会長は「開会式を見たくないと思っている方もたくさんいると承知していますが、この大会を開催することへのご理解はいただいてきたと思っています。そのやり方がこれから問われてくると思う」と話したが、皮肉にも〝五輪離れ〟は開幕に近づくとともに加速している。

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