小林賢太郎「電撃解任」舞台裏 大きかった〝守護神〟森喜朗前会長の不在

左からビル・ゲイツ、森喜朗氏

辞任ではなく解任――。東京五輪・パラリンピック開幕を翌日に控えた22日、開閉会式の演出を担当する元「ラーメンズ」の小林賢太郎(48)が、過去のユダヤ人虐殺(ホロコースト)をネタにしていたことが発覚し、電撃解任された。

スピード決定の裏にあったのは菅義偉首相の〝強権発動〟だ。

小林氏解任後、公邸前で取材に応じた菅首相は「言語道断だ。全く受け入れることはできない」と強い言葉で非難。政界関係者によると、菅首相は今秋の衆院選までに国民のワクチン接種を最大限進めるために、不足している米ファイザー製ワクチンを調達するべく、近日中にもファイザー社のアルバート・ブーラCEOに〝直談判〟する予定だという。

22日放送のTBS系「ゴゴスマ~GO!GO!Smile!~」に出演したCBC特別解説委員の石塚元章氏は「ファイザーのCEOはユダヤ系なんですね。これ(ホロコースト問題)を抱えたままファイザーのCEOに前倒しでくださいと菅総理は堂々と言えるのかどうか」と分析。その上で「ユダヤ系の人たちはいろいろなところに力を持っているし、業界に根を張っている。だからこそ外交上問題になる。ファイザーもそのもうひとつのポイント」と説明した。

ファイザーだけではない。五輪のスポンサーは4つのカテゴリーに分けられ、最上位スポンサーのコカ・コーラやインテルも「ユダヤ系企業とされている」(代理店関係者)。選挙のためにも、五輪のためにも、小林氏をただちに切らなければならなかったのだ。

〝守護神〟森喜朗組織委前会長(84)がいなくなったことも大きいという。

森前会長は今年2月、「女性がいる会議は長くなる」と女性を蔑視する発言により、辞任に追い込まれ、五輪担当相だった橋本聖子氏が新たに会長に就任した。

「森さんは世界的VIPと謎のルートがあった。米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏ともツーカーですしね。森さんがいたらここまでの大ごとにはなってなかったかもしれない」(政界関係者)

裏を返せば、森氏がいなくなったからこそ、政府が組織委に圧力をかけ、人事に介入できたとも言える。

同関係者は「橋本さんが会長だから政府もプレッシャーをかけやすかった。菅首相といえども、森さんには強く出られなかっただろうから」と話す。

五輪直前のドタバタぶりに、いまごろ森前会長は「俺をクビにするからだ!」と息巻いているかもしれない…。

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