【ソフトボール】完全リリーフ!若きサウスポー・後藤希友が「上野2世」と呼ばれる理由

勝利を引き寄せた最年少左腕・後藤希友

「上野2世」の強心臓ぶりとは――。東京五輪のソフトボール1次リーグ(22日、福島県営あづま球場)が行われ、日本はメキシコに延長8回の末、3―2でサヨナラ勝ち。ピンチの場面でマウンドに上がったチーム最年少左腕・後藤希友(20=トヨタ自動車)の好投が勝利を引き寄せた。

この日は、39歳の誕生日を迎えた上野由岐子(ビックカメラ高崎)が2日連続の先発。ところが、2―1と1点リードの7回表に四球と連続安打で同点とされ、無念の降板。「体がいっぱいいっぱい。39歳をリアルに感じた」と苦笑いを浮かべた。

なおも無死一、二塁のピンチで2番手の後藤が好リリーフ。捕飛と2つの三振でピンチを切り抜けると、無死二塁から始まるタイブレークの8回も、3つのアウトをすべて三振で奪う完璧な投球を披露した。絶対絶命の場面での堂々たる振る舞いに、宇津木麗華監督も「昔の上野みたいに見えた。最高のピッチングでした」と絶賛。このメンタルは、高校時代から発揮されていたという。

当時から後藤を知るある現役選手は「接する中でも20歳の性格じゃないとよく感じる。度胸もあって、性格が強いし、絶対に引かない」と印象を口にする。まさにリリーフ向きの性格で「(高校3年時の)インターハイのときは監督から交代を告げられても『行く』と言ってマウンドに上がるくらいだからね」と明かした。

23日は休養日だが、決勝戦までは4連戦。2番手投手の奮闘が金メダルの必要条件となる中、後藤は「自分自身が強い気持ちを持ってマウンドに上がることが一番大事」と頼もしい言葉を残した。若きサウスポーが日本を世界の頂点に導く。

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