東京五輪「楽しんで」 家族ら県勢にエール

母校の宮崎第一中高を訪れた西村拳選手(手前中央左)。恩師の図師幸一・空手部現総監督(同右)や全校生徒と笑顔で記念撮影した=2019年2月

 23日開幕の東京五輪に県勢10選手が出場する。4年に一度、地元日本での開催という夢舞台に立つため、一生懸命努力してきた。その頑張りを知る家族や恩師、友人らは「思い切り楽しんで」とエールを送る。
 ハンドボール女子日本代表の原希美主将(30)=三重バイオレットアイリス、延岡市出身=は、小学生のころから五輪を目指していた。2016年以降、膝の手術を3度経験するなど多くの挫折を乗り越え、夢を実現させる。母美喜子さん(58)は「小さいときから負けず嫌いで、本当によく頑張った。集大成だと思うので、思い切り楽しんでほしい」。背中に「HARA」とプリントされた日本代表のレプリカユニホームを着てテレビで応援するという。
 宮崎第一高空手部の図師幸一総監督(72)は20日、教え子で組手男子75キロ級の西村拳選手(25)=チャンプ=から電話を受けた。「みんな宮崎から応援してるぞ」と激励すると「調整は順調です。頑張ります」と元気な声が返ってきた。
 西村選手は「地獄だった」という同校の厳しい練習で力を蓄え、高校3年間で3度日本一に輝き、アジアジュニアでも優勝しており「あとは世界一だけ」と図師総監督。卒業後に進んだ近畿大空手部の木島明彦監督=串間市出身=が3年前に亡くなっており、「天国の木島先生に恩返しを」と金メダルを願う。
 野球代表のエースとして期待される山本由伸投手(22)は都城高出身。同校で3年間、一緒に甲子園を目指した会社員、黒木成さん(23)=都城市蓑原町=は「由伸なら打たれても仕方がない、と思えるほど努力していた」と振り返る。
 19年のプレミア12ではセットアッパーで日本の初優勝に貢献。「いつも通りやってくれたら世界が相手でも通用する。ごく限られた人しか出場できない大会。楽しんでプレーする姿を見たい」と声を弾ませた。

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