前回五輪で制作、ヨット音頭で選手歓迎 セーリング会場の江の島 現代風にアレンジ

外国人選手団にヨット音頭を披露する市民有志=藤沢市江の島

 1964年の東京五輪でヨット競技が行われ、今回はセーリング競技の開催会場になった神奈川県藤沢市江の島で22日、前回五輪の際に制作された「江の島ヨット音頭」が復活した。25日の競技開始を前に、外国人選手団を歓迎しようと、島民をはじめ市民有志50人が「2020バージョン」を披露した。

 島の入り口にある北緑地広場には、日本舞踊の会「江の島夕波会」のメンバーらが、波の模様をあしらった緑色の浴衣姿で勢ぞろい。トレーニングを行う外国人選手団を乗せたバスが島に入るたび、当時収録された三波春夫さんの歌声に合わせ、ヨットの帆を表現するなど軽快な踊りを見せた。

 スペインやフランス、イタリアなどから来日している選手団はバスの車窓から手を振ったり、スマートフォンで踊りを撮影したりして、感謝の気持ちを表していた。

 ヨット音頭は本来、江の島で予定されていた聖火リレーのミニセレブレーションで披露する予定だった。しかし、公道走行が中止となったため、江の島振興連絡協議会の湯浅裕一会長が代替イベントを検討。外国人選手団をもてなそうという目的が広く賛同を得て実現した。

 ヨット音頭の復活を提案し、現代風にアレンジした江の島夕波会の濱口啓子代表は「前回の東京五輪の際は中学生だった。踊りを通して、2度も江の島で五輪に参加できるのは夢のよう」と感無量の様子だった。(宮崎 功一)

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