長崎大生と留学生ら 「ゲートウェイ成田」景観デザイン案制作 採用目指す 庭園デザイナー石原さんがアドバイス

長崎大の学生らがゲートのデザインを提案したオンライン画面

 長崎大環境科学部の学生らが米中の留学生と共に、千葉県成田市に2025年完成予定の巨大な複合商業施設「ゲートウェイ成田」の景観デザインを制作。同施設のランドスケーププロデューサーを務める庭園デザイナー石原和幸さん=長崎市出身、同学部非常勤講師=からアドバイスを受け、29日に開発事業者に最終提案する。
 同施設は、東京ドーム10個分の約45.5万平方メートルに3つのホテル、ショッピングモール、国際常設展示場などを建設する予定。「世界に誇る新しい商品やサービス、ビジネスの拠点」として注目を集める。開発主体は、不動産開発やファンド事業を手掛ける共生バンク(東京)。
 共同制作は、長崎大と学術協定を結んでいる米国のカリフォルニア大バークレイ校と中国の蘇州科学技術大の留学生が参画。6月1日に着手し、新型コロナウイルス対策のためオンラインで進めた。
 8日に中間発表したデザインは、「花の庭園」は四季を花の色で表現し、「ビオトープの庭」は生態系豊か。ショッピングセンターの屋上には庭園を設け、立体駐車場は緑のツタで覆う。建物の壁面でプロジェクションマッピングを駆使。ゲート(出入り口)は、二つの橋を重ねて安土城二王門のように見せる。
 共生バンクグループの柳瀬公孝代表は「斬新なデザイン」などと評価。発表した長崎大大学院水産・環境科学総合研究科1年の古里彩さん(22)は取材に「採用されるよう完成度を高めたい」と話した。
 同大環境科学部の五島聖子教授は「学生にとって国際的なビッグプロジェクトに関われるのはとても栄誉」。石原さんは「世界一、花と緑がきれいな街で、世界中の人が訪れたいと思ってもらえるような景観デザインを学生と共に表現したい」と具現化に意欲を見せる。

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