首班指名されることは知ってたの?どんな社会を実現させたい?乙武洋匡が伊藤たかえ議員に迫る!

選挙ドットコムでは、乙武洋匡氏をMCに迎え選挙や政治の情報をわかりやすくお伝えするYouTube番組「選挙ドットコムちゃんねる」を毎週更新中です。

今回は2021年6月5日に公開された対談の様子をご紹介。ゲストは国民民主党・伊藤たかえ議員です。実現をめざす社会や首班指名を受けたことについて伺いました。

 

首班指名されたことについて

最初の話題は、2020年9月に伊藤議員が首班指名されたことについて。乙武氏が、「ぶっちゃけ知っていたの?」と迫ると伊藤議員は、「(票を入れた)寺田議員は当日の朝ご挨拶に来てくださいました」と明かします。

寺田議員から「(票を)入れます」と聞いた伊藤議員は爆笑したそうで、そのエピソードを聞いた乙武氏も大笑い。寺田議員は、「女性が意思決定の場に増えれば日本は変わっていく」という想いから、伊藤議員に投票したのだそうです。

当時、議場やSNS上でも伊藤議員のもとにはヤジが飛んできたのだとか。その多くが「伊藤議員が自分で票を入れた」という憶測によるもの。伊藤議員は否定も肯定もしなかったそうです。その後、寺田議員自身が、投票の経緯について書いた記事をネット上にアップしたことによって、伊藤議員のもとには批判の声だけじゃなく応援の声も届くように。

「女性が少ないとされている職業の方々からも応援メールがたくさん届いて嬉しかったです」と伊藤議員は当時を振り返りました。

党内での色々な話し合いの結果、伊藤議員が書いた名前は国民民主党の玉木代表ではなく、立憲民主党の枝野代表だったそうです。伊藤議員は、「(投票では)玉木代表の名前を書きたかった。だけど自分は言い訳をしながら小さくおさまっていた。そんな自分に投じられた1票だった気がした」と話し、「自分に投票してくれた愛知の方々のみならず、寺田議員に想いを託した秋田の方々にも恥じない行動をしなければ、という自戒や勇気につながりました」と話しました。

 

「子ども子育て政策」が1丁目1番地

伊藤議員が実現をめざす社会について話題は移ります。まず伊藤議員が話したテーマは、子どもを育む社会について。伊藤議員は国民民主党代表選挙でも「子ども子育て政策が政治の1丁目1番地」と掲げていました。

伊藤議員は、「この国では子どもがお金をかけてもらえないし、子どもが夢いっぱい元気いっぱいお腹いっぱいで育っている国じゃない。そんな国では未来につながらないと思うから、子どもを社会で育み、みんなで支えるのがあたりまえの社会にしたい」と話しました。

乙武氏は、過去の伊藤議員の主張を紹介します。「少子化対策というと、どうしても“子どもを増やすこと“に注目されがち。だが、今いる子どもをもっと大切にする政策に切り替えていくことで、自然と子どもは増えていくのではないか」。伊藤議員が話していたこの内容に乙武氏はすごく共感したと話し、「目から鱗でした」と明かしました。

さらに、「私は今、作りたい法律がある」と話す伊藤議員。「児童虐待によって亡くなる子どもでいちばん多いのは、0歳0ヶ月0日0時間。海外では内密出産(匿名での出産を望む女性が、専門機関などにだけ身元を明かして病院で出産する制度)が法制化されている。これは日本でも議論していかなきゃならない。目下準備中です」と伊藤議員は話しました。

乙武氏は、「伊藤議員の発信は自身が子育て中ということもあり、“どういう政策であれば皆がそうしたくなるのか“ということに直結している」と話し、「めずらしく褒めてみました」と照れ笑いしました。

続けて乙武氏は、「僕のまわりにはNPOとかで社会活動をしている人間も多い。そういう人達からも伊藤議員の評判は良い。だから、そういう政治家には光を当てたいと思う」と話しました。

この日の対談でも、オレンジリボンを身につけていた伊藤議員。このリボンには、「児童虐待で亡くなる子どもを1人もうまない」という意味が込められているのだそうです。

これからの政治の進め方

伊藤議員は、台湾のオードリー・タン デジタル担当大臣の話を紹介します。

「“政治家が政策を世の中に出し、そこに意見をもらう“という旧来型の政治では、たいして良い政策はうまれない。政治家自身が課題に思っていなかったり触りたくないと思っていたりすることでも、沢山の声が上がっているものを実現するために政治家が役割を果たす。そちらのほうがよっぽど良い政策ができる」

このオードリー氏の発言に伊藤議員も賛同しているようで、「生理政策や性教育、女性の社会参画やキャリア教育など、本来は全員が当事者なのに、今まで政治が取り組んでこなかったから政策的手当がない。しっかりやっていきます」と話しました。

最後に乙武氏が、「女性の身体障がい者は、生理中の対応を人に頼まなければならないということに精神的ハードルを感じている。生理政策として、そこへの視点も盛り込んでいただきたい」と話すと、伊藤議員は、「私にはなかった視点です。ありがとうございます」と答えました。

 

伊藤孝恵氏プロフィール

1975年愛知県生まれ。金城学院大学卒業後、テレビ大阪、資生堂、リクルートを経て政界へ。民主党の候補者公募に合格し、2016年参議院議員に初当選。現在は国民民主党の副代表、役員室長、総務局長、子供・子育て・若者政策調査会長、超党派ママパパ議員連盟事務局長を務める。

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