ヤクルトから3人、首位阪神は2人…データで選ぶセ・リーグ前半戦ベストナイン

中日・柳裕也、ヤクルト・山田哲人、巨人・坂本勇人(左から)【写真:荒川祐史】

セ・リーグでWARが最も高かったのは山田哲人の4.0

2年ぶりに開催されたオールスターも終わり、東京五輪の中断期間に入った日本のプロ野球。前半戦を終えてセ・リーグは阪神、パ・リーグはオリックスが首位に立ち、他球団がそれを追う展開となっている。1か月ほどの中断を経て、ペナントレースは8月13日に再開される。

では、各球団が85試合前後を消化した前半戦で活躍を見せたのは誰か。セイバーメトリクスの指標などでデータ分析を行う株式会社DELTAのデータを基に、前半戦のセ・パ両リーグのベストナインを選んだ。

ベストナインの選考には、セイバーメトリクスで選手の総合的な貢献を表す指標である「WAR」を用いた。「WAR」はそのポジションの代替可能選手に比べて、どれだけ勝利数を上積みしたかを推計する指標で、野手であれば、打撃だけでなく、守備、走塁も含めて総合的な選手の貢献度を示している。

「WAR」から選ぶセ・リーグのベストナインは以下のメンバーになる。

【セ・リーグ】
先発 柳裕也(中日)
救援 栗林良吏(広島)
捕手 中村悠平(ヤクルト)
一塁手 J・マルテ(阪神)
二塁手 山田哲人(ヤクルト)
三塁手 村上宗隆(ヤクルト)
遊撃手 坂本勇人(巨人)
外野手 T・オースティン(DeNA)、鈴木誠也(広島)、近本光司(阪神)

捕手のセ・リーグベストナインはヤクルトの中村悠平に

セ・リーグで最も「WAR」が高かったのはリーグ3位につけるヤクルトの山田哲人内野手。ここまで打率.268ながら、リーグ3位の25本塁打、リーグ2位の65打点をマーク。二塁手としても守備指標「UZR」で3.5とプラス指標だった。二塁手には広島の菊池涼介内野手もいるが、WARは1.9と山田に及ばず、山田をベストナインとした。

この山田に次ぐのが同じヤクルトの三塁手の村上宗隆内野手。こちらもWAR3.9と高い数値を叩き出した。本塁打、打点では巨人の岡本和真内野手が上にいるが、WARで見ると、村上の方が上になる。山田、村上に続くのが、広島の鈴木誠也外野手(WAR3.4)、阪神の近本光司外野手(WAR3.3)、DeNAのタイラー・オースティン外野手(WAR3.3)の外野手3人だった。

前半戦、大きな注目を集めた選手といえば、阪神の佐藤輝明外野手。リーグ4位、新人左打者としては最多となる20本塁打を放っているゴールデンルーキーだが、WARは1.9と先述の3人には及ばず。WARで言えば、ヤクルトの塩見泰隆外野手やDeNAの桑原将志外野手らも佐藤輝を上回っている。一塁は首位に立つ阪神のジェフリー・マルテ内野手、遊撃は巨人の坂本勇人内野手がトップだった。

捕手のWARトップはヤクルトの中村悠平捕手の2.2。そして、中日の木下拓哉捕手も中村と同じ2.2だった。ここはチーム上位のヤクルト中村を選出。首位の阪神・梅野隆太郎捕手はWAR1.4と2人には及ばず。守備指標は木下がトップ、梅野が2位だったものの、中村は攻撃面での指標が3人の中でトップ。一方、梅野はその攻撃面でマイナス指標になっている。

先発投手では中日の柳裕也投手がWAR3.3でセ・リーグトップに。柳はリーグ4位の7勝をマークし、防御率2.42。勝利数や防御率では上の選手がいるものの、リーグダントツの112三振を奪っていることもあり、WARは1位に。リリーフでは新人の開幕無失点記録となる22試合連続無失点を記録した広島の栗林良吏投手がWAR1.6でトップだった。(Full-Count編集部)

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