ヤリスクロスやライズ、ヴェゼル、リアルに燃費が良いのはどれ!? 人気のコンパクトSUV 実燃費レポートを一挙にご紹介

2020年8月にトヨタからヤリスクロスが、そして2021年4月にはホンダから新型ヴェゼルが相次いで登場し、コンパクトSUV市場が大いに盛り上がりを見せている。エンジンタイプもハイブリッド、ディーゼル、小排気量ターボと様々だが、果たして実燃費はどうなっているのだろうか。マツダ CX-30やトヨタ ライズ/ダイハツ ロッキーも交え、MOTA(モータ)編集部が実際に計測した燃費データを一挙にご紹介!

ホンダ 新型ヴェゼル e:HEV Z(ハイブリッド・4WD)vs トヨタ ヤリスクロス HYBRID Z(4WD)

ヤリスクロス、ヴェゼル、CX-30、ロッキー・ライズの実燃費を一挙にご紹介!

※注:走行可能距離は実燃費とガソリンタンク容量を掛け合わせた計算上の参考数値であり、実際の走行を担保するものではありません。

さっそく、人気のコンパクトSUV実燃費の計測結果をまとめてお知らせしよう。実燃費をテストできたのは「トヨタ ヤリスクロス」(ハイブリッド・4WD)、「ホンダ ヴェゼル」(ハイブリッド・4WD)、「マツダ CX-30」(ディーゼル・FF)、「ダイハツ ロッキー(トヨタ ライズ)」(ガソリンターボ・FF)の4台。

試乗コースはどのクルマもほぼ同じで、市街地、郊外、高速と3つのモード別に合計160キロのコースを走破し実燃費をチェックした。

トヨタ ヤリスクロスvsダイハツ ロッキー(トヨタ ライズ)、実燃費は25.2km/Lをマークしたヤリスクロスの圧勝

まず、1リッターターボエンジンを搭載し価格も200万円以下と手頃な価格で人気のダイハツ ロッキー(トヨタ ライズ)は、総合実燃費20.2km/Lを記録。4台の中では最下位だが、カタログ燃費18.6km/Lを大きく上回る結果となった点に注目したいところだ。ターボエンジンの余裕が効き、高速道路で22.8km/Lを記録したことで全体の成績を押し上げた。

取材車両:4WD:2020年モデル「トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド Z」(E-Four)[実燃費計測:2021年4月]※注1:市街地・郊外・高速道路の各実燃費・距離はメーター内の燃費計表示を記載し消費ガソリン量を算出。総合実燃費は総走行距離と消費ガソリン量から算出。※注2:走行可能距離は計算上の数値であり、実際の走行を担保するものではありません。

いっぽう、トヨタ ヤリスクロス ハイブリッドの総合燃費は25.2km/Lと、今回のコンパクトSUV4台の中で最も優秀な実燃費結果を叩き出した。

「トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド Z」(E-Four)

市街地24.5km/L、郊外路28.4km/L、高速道路24.7km/Lと、どのモードでも優秀な成績だ。特に市街地は他モデルを圧倒する低燃費ぶりで、トヨタのハイブリッドシステムが街乗りで特に際立つことがここで改めて証明された。

ヤリスクロスよりも180kg重い新型ヴェゼルだが22.4km/Lとカタログ値超えの低燃費を記録

取材車両:4WD・2021年モデル(2代目)「ホンダ 新型ヴェゼル e:HEV Z」(ハイブリッド・4WD)[実燃費計測:2021年6月]/※注1:市街地・郊外・高速道路の各実燃費・距離はメーター内の燃費計表示を記載し消費ガソリン量を算出。総合実燃費は総走行距離と消費ガソリン量から算出。/※注2:走行可能距離は計算上の数値であり、実際の走行を担保するものではありません。

続いてはヤリスクロスの対抗馬、ホンダの新型「ヴェゼル」の実燃費だ。テストはe:HEV(ハイブリッド)・4WDモデルを使用した。新型ヴェゼル(ハイブリッド・4WD)の総合実燃費は22.4km/Lで、カタログ燃費22.0km/L(WLTCモード燃費)を上回る数値となった。

「ホンダ 新型ヴェゼル e:HEV Z」(ハイブリッド・4WD)

ライバルのヤリスクロス25.2km/Lには及ばなかったものの、ヴェゼルは車体が全体に大柄で、車両重量もヤリスクロスに比べ180kg重いことを考えれば、これも十分に良い記録である。

なお新型ヴェゼルの市街地実燃費は20.3km/L、郊外25.5km/L、高速22.7km/L。EV走行区間が長く保てる郊外路での成績が特に優秀だった。

街乗りよりも郊外や高速が得意なディーゼルの特性が浮き彫りに マツダ CX-30の実燃費は21.3km/L

取材車両:FF:2020年モデル・「マツダ CX-30 XD L Package」(ディーゼルターボ・FF)[実燃費計測:2021年4月]※注1:市街地・郊外・高速道路の各実燃費・距離はメーター内の燃費計表示を記載し消費ガソリン量を算出。総合実燃費は総走行距離と消費ガソリン量から算出。※注2:走行可能距離は計算上の数値であり、実際の走行を担保するものではありません。

最後は、唯一のディーゼルターボエンジン搭載車、マツダのコンパクトSUV「CX-30」だ。今回はFFモデルで計測している。

「マツダ CX-30 XD L Package」(ディーゼルターボ・FF)

マツダ CX-30(ディーゼル・FF)の総合実燃費は21.3km/Lと、ハイブリッド車に肉薄する成績を収めた。市街地こそ15.7km/Lと振るわないが、郊外26.6km/L、高速26.8km/Lと、一定速度域以上での定速走行が得意なディーゼルの特徴が際立つ結果となった。都市部での使用よりも、週末に郊外との往復で利用するようなユーザーの使い方にマッチしていることが実燃費からもわかる。

コンパクトSUVクラスに新たな刺客「カローラクロス」が登場予定! 今後の実燃費テストにも乞うご期待

海外で先行発表され、国内でも2021年夏の導入が噂される「トヨタ カローラクロス」

人気のコンパクトSUV実燃費の計測結果は、1位「トヨタ ヤリスクロス」(ハイブリッド・4WD)25.2km/L、2位「ホンダ ヴェゼル」(ハイブリッド・4WD)22.4km/L、3位「マツダ CX-30」(ディーゼル・FF)21.3km/L、そして4位が「ダイハツ ロッキー(トヨタ ライズ)」(ガソリンターボ・FF)20.2km/Lという結果になった。

しかしどのモデルもリッターあたり20キロを超える優秀な実燃費数値であり、コンパクトカーとそん色ない記録である。今後、トヨタからは新たなコンパクトSUV「カローラクロス」の登場も予想されており、同クラスは更なる激戦となりそうだ。ニューモデルの試乗が叶い次第、また実燃費レポートをお届けしていく予定なので、引き続き楽しみにしていて欲しい。

MOTA(モータ)の実燃費は実際に走って計測してます

高速道路の計測コース(約80km)

MOTAの実燃費レポートは、都内から千葉県郊外を周回する高速道路約80km、郊外路約30km、市街地約60kmの合計約170km前後を実際に走行して計測している。法定速度を基本に、周囲の流れを乱さない走行で実施するのは言うまでもない。

クルマのエアコンは基本的にオート・25度で設定。アイドリングストップ機能が作動しない等の特別な事情を除いては、燃費に有利なECOモード等は用いずノーマルモードで走行する。これらの条件のもと、車載燃費計の表示と距離計(トリップメーター)を基に燃費数値を算出した。

郊外路は信号も少なく渋滞もない区間で、ゆるやかなカーブと起伏がある(約30km), 市街地はところにより渋滞もあり、信号での停止・発進を繰り返す平均速度の低い区間(約60km)
郊外路は信号も少なく渋滞もない区間で、ゆるやかなカーブと起伏がある(約30km), 市街地はところにより渋滞もあり、信号での停止・発進を繰り返す平均速度の低い区間(約60km)

[まとめ:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:茂呂 幸正・和田 清志・土屋 勇人・TOYOTA・MOTA編集部]

© 株式会社MOTA