【新日本】内藤 ドーム決戦「飯伏の出欠」緊急提言

必殺のデスティーノを決める内藤

新日本プロレス23日の大阪大会で、ⅠWGPタッグ王者の内藤哲也(39)がザック・セイバーJr.(34)とのシングル戦を制し、25日東京ドーム大会での初防衛戦に弾みをつけた。一方、同大会のメインでⅠWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟(38)に挑戦する飯伏幸太(39)の出場可否について、不透明な状態が続いている。内藤はあえて苦言を呈し、団体が早期判断をして観客の不安を解消するべきと主張した。

ヒザへの集中砲火で主導権を握った内藤は、ザックドライバーを切り返してバレンティアを発射。デスティーノで3カウントを奪い、SANADAとのコンビでタイチ、ザック組を迎え撃つ東京ドーム決戦に弾みをつけた。

「タイチもザックも対戦相手としては好きな選手なんでね。俺はなぜか嫌われてるけど…。もちろんドームのメインに立てない悔しさはあるけど、楽しみな一戦であることは間違いないですね」と目を輝かせるが、そのメインの試合は風雲急を告げている。

飯伏が「誤嚥性肺炎」で24日名古屋大会まで欠場。ドームの出場は回復状況を見て判断される。鷹木は仮に飯伏欠場の場合もドームでのV1戦決行の意向を示しているものの、大会直前にして異例の事態であることに変わりない。

この現状に内藤は「決して飯伏を責めるつもりはない」と前置きした上で団体の対応を問題視した。「俺も2012年に靱帯を切っていたのに試合に出続けたことがある。そりゃレスラーに聞けば『絶対出る』と言いますよ。しかも今回は東京ドームのメインですから。出られるのか出られないのかギリギリまで引き延ばすのではなく、これは新日本が早急に判断すべき問題だと思いますよ」

さらには飯伏の回復状況に関する説明が極めて少ないことも事態をより混乱させていると指摘。「コロナの影響でいろいろ不安な状況が続いて、東京五輪も無観客開催のなか、新日本は有観客で開催するわけですから。せめて新日本を見に来るお客さまには不安な気持ちを持ってほしくない」と胸中を明かした。

自身はタッグ王座戦に集中すべきだと分かっていながら、あえて他の試合に言及した。「試合後に『ああ、楽しかったな』って帰ってもらうことと、試合前に『今日は楽しみだな』って思ってもらうことは同じくらい大事。『メインはどうなるの』『飯伏はどうなんだ』というお客さまの不安は、一刻も早く取り払わなければいけないんじゃないかな」と提言したが、果たして――。

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