57年前の壁画でエール 名立地区公民館で展示 1964年東京五輪時に旧上名立小6年が制作

 名立区のまちづくり団体、名立まちづくり協議会は8月16日まで、名立地区公民館で、57年前の1964(昭和39)年、当時の上名立小6年生が制作した、東京五輪をテーマにした壁画を展示している。入場無料。

 壁画は6年生38人が卒業制作で描いたもの。縦170センチ、横110センチのパネル4枚に油彩で、同大会のメダルや記念切手、「東洋の魔女」の異名を取ったバレーボール女子日本代表、男子100メートルで参考記録ながら人類初の9秒台をマークしたボブ・ヘイズ選手(米国)他が描かれている。描いた全員の名を刻んだ板には「ベストをつくせ」と大書されている。廃校後も保管されていたのが発見され、「まちの貴重な教育遺産」として展示することになった。

縦170センチ、横110センチの板を4枚組み合わせた作品。保存状態も良好だ

 23日は設置作業が行われ、地元の有志が展示するための台座を製作。4枚のパネルを組み合わせ、木枠を取り付けた。他に旧名立町で行われた聖火リレーのトーチやユニホームを借り、展示する。

 東京2020大会開会に合わせただけでなく、新型コロナウイルス感染拡大のため中止した「名立まつり」の代替イベントの一つ。三浦元二会長は「これだけの壁画が57年間、よく残っていたと思う。展示は地元の熱意の証しでもある。市民もまちも選手も、それぞれ『ベストをつくせ』だ」と話していた。

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