河北春秋(7/25):連日の猛暑が、長くてつらい夏を予感させる…

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 連日の猛暑が、長くてつらい夏を予感させる。昨年のこの時季、南東北3県はまだ梅雨が明けていなかった。梅雨の末期に山形県を襲ったのが、記録的な豪雨。28日で1年になる▼県内400余りの支流を集め、流域面積が7040平方キロメートルにも及ぶ「母なる川」最上川が、中流域の計4カ所で氾濫。支流も増水した。住宅774棟をはじめ、農地や道路など、県内35市町村のほとんどが被害を受けた。犠牲者がいなかったのは不幸中の幸いだった。奇跡と呼ぶ人もいる▼大石田町では最上川が観測史上最高の水位18.59メートルを記録し、3カ所で氾濫した。黒滝地区は通行止めで一時孤立した。障害者支援施設「水明苑(えん)」の関係者は「入所者をいかに安心させるか。職員を増やして対応した」と振り返る▼白鷹町の白鷹温泉では背後の山が崩れ、宿泊棟に泥水が流入した。「一瞬だった。気が付いたら周囲に土砂が1メートルもあった」。経営者は土砂崩れの恐ろしさを語る▼1年前の教訓をどう生かすのか。大石田町は今年、水害への備えを時系列に決めておく行動予定表「マイ・タイムライン」の用紙を全戸に配り、作成を呼び掛けている。ゲリラ豪雨に台風と、今年も秋にかけて、油断はできない。いくら暑くても、頭はクールに。万全の備えで臨みたい。(2021.7・25)