【ミャンマー】感染爆発、休日さらに1週間[経済]

行政・経済の再開見通せず

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ミャンマーで全権を掌握する国軍は、新型コロナウイルスの感染が深刻化していることを受け、26日から8月1日までを急きょ休日に変更した。同じ理由で先週7日間を休日としたが、さらに1週間延長する。依然として感染者が増加し続けており、行政機能や経済活動の再開が見通せない状況だ。

国軍の最高意思決定機関「国家統治評議会(SAC)」が23日夜、国営テレビを通じて通達した。政府機関や民間企業の出勤を基本的に停止し、外出自粛を促す。

医療機関や食料品などの必需品を取り扱う業種と銀行を除外するほか、製造業も監督官庁の許可があれば稼働できるとしているが、感染が激増していることから通常操業している事業者は一部だ。

日本企業が多く進出するティラワ経済特区(SEZ)などヤンゴン管区の工場でも、体調不良を訴える従業員が増え、操業を見合わせる企業が目立つ。これまでもクーデターによる影響で生産活動の中断を強いられてきた日系企業の現地法人関係者は「今回の感染拡大で、再開はさらに遠くなった」と話した。

ミャンマーでは感染の「第3波」が6月半ばから深刻化。インド由来の「デルタ株」など変異ウイルスが広がっているとみられる。

SACが急きょ休日として外出自粛を促した17~25日も、1日当たりの新規感染者数は連日、5,000~6,000人に達した。陽性率(過去24時間に確認された陽性者の検査件数に占める割合)は4割近い水準だ。

保健・スポーツ省によると、同期間中の新型コロナによる死者は約2,000人だが、症状が出ながらウイルス検査を受けられず、病院に入れないまま亡くなった人は含まれておらず、実際はそれ以上に上る恐れがある。地元メディアによると、ヤンゴン管区では19日の1日だけで、1,500人以上の遺体が9カ所の火葬場で荼毘(だび)に付された。

国内では、もともと脆弱(ぜいじゃく)な医療体制が、2月のクーデター以降に医療従事者が国軍に抗議するため職務を放棄する市民不服従運動(CDM)に参加したことで機能不全に陥り、コロナ患者の病院での治療が追いついていない。

在留邦人が多いヤンゴン市内のスーパーは時間を短縮して営業しているほか、地元の市民が訪れる市場も開いている。自宅で療養する家族のための酸素や医薬品、食品を求める人が、髪の毛を覆うネットやマスクを着けて出かける姿が見られるものの、通行量は目に見えて減っている。

ヤンゴン在住のエンジニア男性、ナイン・トゥーさん(34)は、「毎日のように知人が新型コロナに感染して亡くなったという知らせがあり、お悔やみを言っている。気が休まることはなく、家族を守るため(の食料調達など)に必死だ」と語った。

在ミャンマー日本大使館は休日の延長発表に合わせ、在留邦人にあらためて感染予防策を徹底するよう通知した。在留邦人にも感染者が増えていると指摘し、「真に必要かつ急を要する用務がない場合は、一時帰国の可能性を検討してほしい」と呼び掛けている。

日系商社の関係者は「出勤は最小限に抑え、食品を確保する以外は自宅にこもっている。ワクチンを打つため、いったん退避を決めた」と話している。