東京五輪採用でも注目のスケボー 熱中する中学生たち「身近に練習場を」 沖縄・宜野湾市

 【宜野湾】宜野湾市の普天間中学校に通い、スケートボードに熱中する生徒やその保護者が、地域に安心して滑れる環境を求めて声を上げている。地域から約3キロ離れた宜野湾地域には滑れる施設が整えられた公園「いこいの市民パーク」があるが、生徒らは遠いとして普天間地域での環境整備を求めている。

 県内スケーター第一人者である才哲治さん(42)=読谷村=は、行政などの関係機関に「今ある場所の活用」の重要性を説く。

 スケートボードは全国的に、東京五輪の新種目となったことから注目されている。コロナ禍を受け、屋外で人と距離を保って楽しめる点も人気だ。一方、公道で滑ったり、無断で公有地に入ったり、騒音が発生したりしてトラブルも起きている。

 普天間中1年生は12人を中心に4月、学校に部活動発足を求めたが、学校は場所がなく指導顧問がいないなどとし実現は難しかったという。

 生徒と保護者は市に環境整備を求め、相談した市議会議員が6月議会で取り上げた。市は普天間地域で整備予定はないが、同地域から約5キロ離れた宜野湾海浜公園で整備を計画していると答えた。普天間地域にある市庁舎周辺の活用は直ちには難しいとの考えも示した。

 同中1年の石嶺柚哉(ゆうや)さん(12)は普天間小5年時、公園で先輩たちが滑る姿を見て心を奪われた。先輩から部品を譲り受けて滑り始め、仲間も増えた。「ユーチューブ」で動画を見て仲間同士で教え合い、「技ができた時は達成感がある」と魅力を語る。練習場所の確保には苦慮していて、普天間地域で「安心して練習できる場所がほしい」と求めた。

 母の美由希さん(48)ら保護者は「子どもたちの思いに親として協力したい。練習できる居場所があれば親も安心できる」と口をそろえる。

 沖縄市でスケートパークを運営し、子どもたちのスケートボード環境づくりにも取り組む才さんは「スケボーができる環境は県内に少なすぎる。スケートパークを造るには4~5年かかり、公園など今ある場所を活用していくことが大事だ」と指摘した。

© 株式会社琉球新報社