【U―24】武田修宏氏「メキシコの弱点を突いた久保のゴールは見事」

2試合連続ゴールを決めた久保建英(ロイター)

【武田修宏Take it easy】(東京五輪)1次リーグ最強だと思われたメキシコから勝利をもぎ取ったね。相手はしっかりパスをつなぎ、前へと攻撃していく強さがある一方で、攻守の切り替えが遅く、カウンターに弱い。1点目は、その弱点を突いたと言える。右サイド裏へ抜けたMF堂安からのクロスに中央を走り込んできたMF久保が左足で合わせた見事なゴールだった。

南アフリカ戦に続く得点の久保は、自信を持ってプレーできている。1点の重みをわかっているように見受けられるし、2016年リオデジャネイロ五輪でブラジルを金メダルに導いたFWネイマールのような存在になってもらいたい。それにセンターラインを担うオーバーエージのDF吉田麻也(サンプドリア)、MF遠藤航(シュツットガルト)が苦しい時間帯に、うまく試合をコントロールできるのもチームの強みになっている。

とはいえ、まだ1次リーグ突破が決まったわけではない。次のフランス戦(28日、日産)に負ければ、敗退の可能性もある。相手は攻撃面で身体能力の高い選手がいる一方で、組織的な守備ができず、1次リーグ2試合で7失点と守備に難がある。勝つために攻撃的にくるだろうから、しっかり守って失点を防いだ上で守備の弱点を突いて勝利をつかんでほしい。

目標とする金メダルへ向けては、先制されたときにどう立て直し、逆転していくのか。もちろん準備はしているだろうけど、そういう力も必要になってくる。

(元日本代表FW)

© 株式会社東京スポーツ新聞社