ユーチューバー・カルマ 近年の芸能界の流れに〝逆行〟するエイベックス入りの「勝算」

エイベックスに所属したカルマ

チャンネル登録者数が約162万人、総再生回数は2億回を突破した人気ユーチューバー・カルマ(24)が、大手芸能事務所「エイベックス」に所属することになり、25日、都内にある同社で記者会見を行った。カルマは今後について「持っていない通行手形で違う畑の人と絡みたい」と強調。だが、大手芸能事務所に所属することで、人気企画ができなくなるのではと心配する声が上がっている。

人気ユーチューバーとして知られるカルマは、昨年9月から動画の更新をストップ。ファンの間では引退説、死亡説などがささやかれていたが、24日に「カルマが旅立ちました」のタイトルで約1年ぶりに動画を更新した。その“答え”がエイベックス所属だった。

この日の会見で、カルマは「芸能界では事務所を辞めて、個の力がモノを言う時代。自分が時代の真逆を行くような選択をしたのは、重々理解している。ただ、自分は個でできることをやりきったと思っている。組織の力を借りて、新しい時代を築いていきたい」と大手芸能事務所に所属した理由を明かした。

たしかに、最近の芸能界は、大手芸能事務所から独立したタレントが、ユーチューバーとして自由に活動するという流れがパターン化しているだけに、カルマのケースは珍しい。今後はユーチューバーとしての活動を軸に置きつつ、さまざまな活動を展開していく予定だという。

「ユーチューバーがユーチューバー事務所に入っても意味がないし、面白みがない。せっかく入るからには、自分に持っていない通行手形を持って、違う畑の方と絡んでみたい」と目を輝かせた。

大手事務所の組織力でカルマのパワーはさらに増すに違いない。

だが、懸念する声もある。

「カルマの人気企画といえば、変装シリーズがあります。これがやりにくくなるのではないか」と指摘するのはテレビ関係者だ。

変装シリーズとは、カルマが有名芸能人に扮して街に登場するというもの。これが爆発的な人気で、2018年に公開された「原宿で山崎賢人に変装して歩いたら女子に囲まれ警備隊まで出る大騒動…w【山崎賢人】」の再生回数は、なんと608万回を突破。他にも、ジャスティン・ビーバーになりきって大阪・道頓堀を練り歩き、G―DRAGONとしてハロウィーンに沸く東京・渋谷に現れるなど、ユーザーの度肝を抜いてきた。

「容姿がスマートなカルマは、それっぽいファッションで身を固めると、スターに見えちゃうんですよ。グラサンにマスクをして屈強な外国人風のSPを従えて歩けば、勘違いしたやじ馬で大パニック(笑い)。これが人気なんですが、芸能事務所に所属すれば、そうもいかない。勝手に他事務所のタレントの格好をして街をパニックにしたらクレームが入るかもしれませんからね。だとすれば、悲しむファンもいるでしょう」(同関係者)

もっとも、これまでさまざまな伝説を作ってきただけに、他の企画や行動で伝説を作っていくのだろう。

会見で「(エイベックスとは)めちゃめちゃケンカできる。それができるところがいいと思いました。前例のないことをやりたい」と意気込みを示したカルマ。芸能界でどんな暴れ方をするのか注目だ。

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