梅雨の楽しみ!100年以上走り続けた箱根登山鉄道沿線のアジサイ撮影スポット&新名所

箱根登山電車について

長い歴史をもつ箱根登山鉄道は、2019年に箱根湯本〜強羅駅の区間の路線が開通100年を迎えました。

日本の登山列車のはじまりは、1907年。スイスでヨーロッパの登山鉄道の運行状況を調査した名士が、帰国後に鉄道会社を説得し、登山鉄道をつくって観光客を集めようと動いたそう。この働きで箱根登山鉄道がはじまり、多くの人がここを訪れるようになりました。

箱根は山の傾斜が急で険しいため、線路の敷設や車両建設など当時はさまざまな困難がありました。たとえば、紅葉スポットで有名な「出山の鉄橋(でやまのてっきょう)」は、川床から架設部まで43もの足場が組まれ、建設されたそうです。

鮮やかな緑の橋を走る赤い電車。このコントラストは見逃せないスポットのひとつです。

特色のひとつである「1000分の80の勾配」は、鉄道が走る傾斜を表したもの。箱根登山鉄道では、12.5メートル走るごとに1メートルもの高さを登ります。このような急勾配を車輪の力だけで登るのです! 日本でもっとも険しく、かつもっとも勇敢な登山列車といえるでしょう。

「あじさい電車」出発!梅雨を楽しむオススメ撮影スポット

箱根は標高が高いため、東京都内より2~3週間ほど遅い時期にアジサイが咲きます。開花時期は駅ごとに少しずつ違いますが、1番遅くて7月末。さらに標高の高い箱根登山ケーブルカー沿いは、もう少し遅くなるでしょう。

開花時期の電車は「あじさい電車」と呼ばれ、車頭にはアジサイのイラストが飾られます。夜には各所でライトアップされて、より幻想的な雰囲気が演出されています。

では、オススメのスポットを3つ見てみましょう。

箱根湯本駅

箱根湯本駅は、箱根登山鉄道の始発駅です。また、このエリアで標高がもっとも低い場所。そのため開花時期はほかの駅よりも早く、6月中旬ごろです。駅の1Fからおみやげ店の多い箱根湯本駅前商店街に向かって右側が、撮影場所にオススメ。

アジサイの数は少なめですが、列車を間近で見れるため、迫力満点の撮影ができます!

塔ノ沢駅

塔ノ沢駅は、アジサイと登山列車の同時撮影がきれいにできます。木造の待合室とその隣にある駅名標、そしてホームにはアジサイが咲き誇り、画角を調整する必要もなく迫力のある写真が撮れるでしょう。

トンネルを抜け、ホームへとゆっくり入ってくる列車。このタイミングなら、どちらのホームに立ってもアジサイと列車をひとつの構図に収めることができます。

宮ノ下駅

宮ノ下駅のホームの端は、まさに「鉄道感」のある写真が撮れるスポット。山肌に沿って咲くアジサイと信号機、そこに列車が入ってきたらシャッターを切りましょう!

足湯に入って雲モチーフのフードを楽しもう!新名所「cu―mo箱根」

箱根登山ケーブルカーと箱根ロープウェイの乗換え駅である早雲山(そううんざん)駅に、2020年初夏に複合商業施設「cu―mo箱根」が駅構内にオープンしました。

「cu―mo」は日本語の「雲」と同じ読み方をします。長旅を経てここへやってきたお客さんが、目の前に広がる雄大な相模湾や三浦半島を眺め、爽やかな空気を感じながら癒されてほしい、という願いを込めて作られました。

展望台は誰でも自由に入場できます。また山々を眺めながら浸かれる無料の足湯もあります。ここにきて山登りの疲れを癒してくださいね。

施設内には250種類以上のオリジナル商品や箱根観光のおみやげが販売されているショップもあります。人気商品が、綿菓子ののったスムージー「ニューベル」と、焼きたての「くもぱん」です。

「ニューベル」(税込750円)は、バナナとリンゴとミルクで作られたフレッシュなスムージーの上に、ふんわりとした甘い綿菓子がのった飲み物です。見た目も可愛く、爽やかで飲みごたえのある一品。

「くもぱん」(税込250円)は、味噌を隠し味に使っている点がポイント。意外にもカスタードクリームとマッチしており、やさしい甘さが味わえます。

店内でひときわ目を引くものは、まるで空に届くような巨大な白いポストです。高さ4,485ミリメートル。この数字は「しあわせはこぶ」の語呂合わせで、ハガキをもらったすべての人が幸せで包まれることを願って決められたそうです。

お店には限定ハガキも販売しているので、購入してメッセージを書き、ポストに投函してみましょう。海外にも送ることもできますよ!

※2021年6月時点では土日のみの営業です。

梅雨の季節は箱根に行こう

次の箱根旅行は、アジサイのシーズンも検討に入れてみてください。鉄道の1日券を買って、アジサイに包まれながらゆっくり散策してみましょう。

箱根登山電車 公式HP:https://www.hakone-tozan.co.jp/

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