Blackmagic Design製品事例:創揚文化社によるトム・フォードのオンラインプロモーションの場合

Blackmagic Designの発表によると、上海に拠点を置く創揚文化社が、Blackmagic Designのライブプロダクション・ワークフローを使用して、トム・フォードのライブ配信サービスを行なったという。同ワークフローには、URSA Broadcast、ATEM Television Studio Pro 4K、DeckLink 4K SDIが含まれている。

1日平均で12時間、合計1,500時間におよぶ配信は、Taobao Liveで、グリッチなしでスムーズに行なわれた。Taobao Liveは、中国の電子商取引大手、アリババグループのライブ配信プラットフォームである。今回の配信では、クライアントが求める高画質を低データレートで実現し、ハイエンドのブランドを表現できたとしている。

創揚文化社は、広州汽車集団、fliggy.com、闘魚、虎牙、網易などのクライアントに向けて、クリエイティブデザイン、ショートビデオの制作、ライブ配信などのサービスを提供している。創揚文化社のトップである樊華氏は次のようにコメントしている。

Blackmagic Designのことを知ったきっかけは、DaVinci Resolveを導入したことです。DaVinci Resolveはパワフルですが低価格なので、メーカーに対して非常に好印象を抱きました。その後、Blackmagic Designは、カメラ、スイッチャー、コンバーター、ビデオルーター、レコーダーなどのメーカーでもあることが分かりました。

そこで、マルチカムのライブプロダクション・システムを構築するにあたり、Blackmagic DesignのURSA Broadcastカメラ、ATEM Television Studio Pro 4K、Video Assist、Teranex、Mini Converterも採用することにしました。

トム・フォードのプロジェクト用にライブ配信ワークフローを設計する際に、彼らが直面した問題のひとつは、クライアントが高品質のイメージを求めているにも関わらず、Taobao Liveが1.5Mbpsまでのデータレートにしか対応していないことだった。

創揚文化社が手持ちのフィルムカメラとスタジオカメラをテストした結果、配信ソフトウェアによって高度に圧縮された後でも、URSA Broadcastのイメージがすばらしいことが分かり、さらに独自のカスタムLUTをURSA Broadcastにロードしたことで、イメージのルックがより向上し、クライアントの満足いくものとなったという。

以前、eスポーツのライブ配信プロジェクトでURSA Broadcastを使用しましたが、ライブプロダクションで頻繁に使用される3台のCMOSカメラを使用した場合よりも、同じ照明を使用した同じグリーンバックのセットで、URSA Broadcastと1台のCMOSカメラからのフィードを使用した方が優れたキーイングの結果を得られました。私も友人たちも、これには驚きましたね。

トム・フォードからは、配信の色忠実度が非常に大事であると力説された。オンラインで表示されるリップスティックなどの製品の色が、オフラインの販売カウンターに並んだ実物と全く同じ色であることを求められた。

私たちは、中国でURSA Broadcastを最初に使い始めた企業のひとつなので、2019年末にBlackmagic Designが新しいファームウェアをリリースするまで、このカメラのカラーがどれほど特別であるか理解していませんでした。新ファームウェアでは、Blackmagic RAW収録、デモザイクアルゴリズムが追加され、画質が全体的に向上しました。画質の向上を検証するためにビデオを撮影してみた結果、色の品質は明らかに新しいレベルに達していました。トム・フォードの配信では、このカメラが大活躍しました。

ライブ配信のワークフローでは、2台のURSA Broadcastカメラが、2本のSDIケーブルでATEM Television Pro 4Kに接続された。SDIケーブルは、ビデオ、オーディオ、タリー、カメラコントロールの信号をカメラとスイッチャー間で送信する。フォーマット変換およびフレーム同期は、スイッチャーですべて自動的に行なわれた。プログラムフィードは、配信用のワークステーションにインストールされたDeckLink SDI 4Kによりキャプチャされた。

ATEMスイッチャーは、簡単に操作できるハードウェアコントロールパネルだけでなく、多機能なATEM Software Controlアプリを無償で同梱されています。ATEM Software Controlを使用することで、カメラコントロールやDaVinci Resolveカラーコレクションなどの機能も使用できるようになります。ハードウェアを追加購入する必要はありません。嬉しいことに、ソフトウェアはすべての設定を記憶しているので、再起動した時に設定がそのまま残っています。

トム・フォードのTaobao Live配信では、このBlackmagic Designワークフローが合計1,500時間、毎日12時間連続で稼働していましたが、全く問題ありませんでした。この信頼性の高さと放送品質を兼ね備えていることで、自信を持ってプロジェクトを行なうことができました。

また、放送局用の従来のマルチカムセットアップと比較すると、Blackmagic Designのライブプロダクション・ソリューションは、スタッフがすぐに操作を習得できるので、トレーニングにかかるコストも削減できますね。ライブ配信の需要が高まるこの時代において、Blackmagic Designのソリューションは、私たちの要望に見事に応えてくれます。

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