IST「TENGAロケット」7月31日打ち上げ予定、2回連続の宇宙空間到達とペイロードの洋上回収にも期待

【▲ 6月30日に北海道・大樹町のIST社で公開された「TENGAロケット」(Credit: インターステラテクノロジズ)】

インターステラテクノロジズ(IST)は7月24日、株式会社TENGAとの協同プロジェクトとして準備を進めてきた観測ロケット「TENGAロケット」(MOMO6号機)の打ち上げを7月31日に実施すると発表しました。

ISTによると、「TENGAロケット」の打ち上げ日時は2021年7月31日(土)11時ちょうどが予定されています。予備日は翌日の8月1日(日)で、打ち上げ可能時間帯は7月31日が11:00~12:20と16:05~17:508月1日が4:15~7:50、11:00~12:20、16:05~17:50とされています(いずれも日本時間)。

打ち上げは北海道大樹町にある北海道スペースポートの打ち上げ施設「LC-0」(Launch Complex-0)にて実施されますが、今回の打ち上げも昨年に続き新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として完全無観客で実施され、見学場の封鎖立ち入り制限区域の拡大が行われます。

打ち上げの様子はISTとTENGAの公式YouTubeチャンネルにてライブ配信が行われる予定で、機体に取り付けられたカメラからのリアルタイム映像も配信されます。ライブ配信の開始予定時刻は打ち上げの1時間前で、ジャーナリストの丸山ゴンザレス氏がMCを務めることが明らかにされています。

インターステラテクノロジズ公式YouTubeチャンネル
TENGA公式YouTubeチャンネル

ISTのロケットは2019年5月4日に打ち上げられた「MOMO3号機」が宇宙空間に到達(最高高度は約113km)したものの、その後は不具合による飛行中断やエンジン点火の自動停止により、2020年までに再び宇宙到達へ到達した機体はありませんでした。

【▲ エンジンが点火され離床する「ねじのロケット」(MOMO7号機)。ISTによる打ち上げのライブ配信より(Credit: インターステラテクノロジズ)】

相次ぐ不具合を受け、ISTは信頼性向上と能力増強を目的としたMOMOの全面改良に着手。新バージョン「MOMO v1」最初の機体として2021年7月3日に打ち上げられた「ねじのロケット」(MOMO7号機)の最高高度は約100kmで、宇宙空間へと到達することに成功しています。同社は今回打ち上げられる「TENGAロケット」にて2回連続・3回目の宇宙空間到達を目指しています。

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また、「TENGAロケット」では日本国内の民間企業としては初めて、宇宙空間でのペイロード(搭載物)の放出と洋上での回収が試みられます。ペイロードが放出される瞬間はライブでも配信される予定で、国内民間初のペイロード放出・洋上回収成功が期待されます。

【▲「ねじのロケット」搭載のカメラから配信された上昇中の様子。ISTによる打ち上げのライブ配信より(Credit: インターステラテクノロジズ)】

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Image Credit: インターステラテクノロジズ
Source: インターステラテクノロジズ
文/松村武宏

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