伊野尾慧&神宮寺勇太が「准教授・高槻彰良の推察」撮影現場で見せた真摯な姿

フジテレビ系で8月7日にスタートする「東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察」(土曜午後11:40)。完全記憶力という“異能”を持つ民俗学の准教授・高槻彰良(伊野尾慧)と、人のうそが分かるようになってしまったがゆえに、“孤独”を抱える大学生・深町尚哉(神宮寺勇太)が、さまざまな怪異事件の謎解きを通じて、人とつながることの大切さを描いたヒューマンミステリーだ。

ドラマの撮影現場は、5月に都内の書店でクランクイン。紺色の3ピーススーツを着て、英国紳士のような気品を放ちながら現れた伊野尾と、それとは対照的に、どこにでもいる大学生のような地味な服装と雰囲気で、猫背気味に歩いてくる神宮寺。スタッフ全員に拍手で迎えられた伊野尾と神宮寺は、マスクをしたまま静かにリハーサルを始めた。

ファーストシーンは高槻の幼なじみ・佐々倉の実家「佐々倉古書店」の2階で、高槻と尚哉が“コックリさん”をするという場面だ。机の上に広げた“コックリさんの紙”の上に十円玉を置き、向かい合って座る。それぞれが十円玉に人差し指を置いて、監督が理想とする十円玉の軌道を気にしつつ、セリフを言うだけでも難しいのに、そこに伊野尾は民俗学の専門家として“コックリさんの解説をする”という要素が加わる。准教授らしく専門用語を含むセリフをよどみなく言うために、伊野尾は撮影の合い間も、すでに頭の中に入っているセリフの暗唱を繰り返していた。

細かいニュアンスの芝居の後、モニターまで歩み寄りチェックをしながら監督と話す伊野尾。自らの芝居が、映像でどう見えるのか確認しながら、疑問に思う部分はその都度、監督に質問をして細かく役柄を固めていく。そして、必見なのが伊野尾の手。細くて長い指と爪は、手のアップにも耐えられる美しさ。伊野尾の手のアップは第1話でも出てくるので、ぜひチェックしたい。

一方、この場面で神宮寺は、「はい」「いえ…」などの短いセリフ、もしくは無言のリアクションがほとんど。セリフの量こそ違いはあるが、こちらの演技も相当難しい。もともと尚哉は人と距離を置きたいタイプ。加えて、高槻と尚哉は出会って間もない、そこまで親しくない関係だ。そんな2人が一つの十円玉に手を置いて“コックリさん”をするという、ある種の戸惑いや緊張感を、神宮寺は目の動きや顔の表情で絶妙に表現していく。

ドラマの現場では俳優陣を現場に呼び込む場合、その俳優の名前ではなく役の名前で呼ぶことが多い。例えば「伊野尾さん」ではなく「(高槻)先生」。しかし、本作での神宮寺は「じんじん」と呼ばれている。もともとは「じんさん」と呼ばれていたが、誰かが「じんじん」と呼んだ時に「じんじんってそう呼ばれたことがないから、その呼び名がいい!」と神宮寺が喜んだため、それが定着したとのこと。愛称で呼ばれるほど周囲に愛されている神宮寺だが、その理由は、演技以外で見せる“天然っぷり”にあるようだ。

撮影現場での伊野尾は、ドラマ出演が3年ぶりとなる神宮寺を気遣い何度も話しかけ、神宮寺は、膨大なセリフ量と初座長という大役に真摯(しんし)な態度で向き合う伊野尾に尊敬のまなざしを向ける。そんな対照的な2人が醸し出す特別なバディ感と、その化学反応に期待が高まる。

高槻の研究室に所属する大学院生・生方瑠衣子役の岡田は、埼玉県内のスタジオに作られた、高槻の研究室でクランクイン。第1話で、尚哉が初めて研究室を訪ねて来て、瑠衣子と衝撃の初対面をするというシーンからのスタートとなった。

瑠衣子同様の元気キャラで、共演者はもちろんスタッフとも気軽に笑顔で話し、現場を明るく盛り上げる岡田。あるロケ先では、撮影の合い間に自分が持ってきたのど飴を「食べます?」と伊野尾や神宮寺らにも声をかけ、配っていたとのこと。気配り上手な岡田が見せる、研究一筋のため普段はボサボサ頭にダボっとした服だが、塾バイトの時だけ奇麗めに変身するというギャップ萌え女子のキャラクターにも注目だ。

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