ついに歴史が動いた。東京五輪卓球混合ダブルス決勝(26日、東京体育館)は水谷隼(32=木下グループ)、伊藤美誠(20=スターツ)組は中国の許昕、劉詩雯組を4―3(5―11、7―11、11―8、11―9、11―9、6―11、11―6)で下し、五輪で初となる金メダルを獲得。悲願の「打倒中国」を達成した。
歓喜の瞬間、2人は喜びを爆発させて抱き合った。3―3で迎えた最終第7ゲーム、一方的な展開で進むかと思いきや、8―0から4点差まで追い上げられる。それでも最後は相手のミスを誘い、壮絶な死闘を制した。
同種目は五輪初採用。自国開催で初代王者となるべく、日本協会は頂点を狙えるペアを模索していた。そして2019年のワールドツアーで2人を起用すると優勝1回、準優勝4回の成績を収めて五輪代表に抜擢。コロナ禍でダブルスの練習ができない時期もあったが、が不安を感じさせることはなかった。
むしろコンビ力は高まる一方で決勝進出を決めた後、伊藤は「こんなにいい雰囲気になったのは初めて」と口にした。また、水谷も自信を深めたのか「五輪は何が起こるか分からない場所。一度も勝ったことがない相手だが、皆さんに奇跡をお見せしたい」と話していた。
〝王国〟を撃破した卓球ニッポン。シングルス、団体戦でも目指すはもちろん世界一だ。