鎌倉市稲村ガ崎1丁目の江ノ島電鉄の線路上で4月、小学3年の女児(8)が電車にはねられた事故を受け、江ノ電は進入止めや看板設置などの対策を進めている。
現場の線路には踏切はないが、住民らが日常的に生活道路として利用している「勝手踏切」。そうした場所は全国的にも多く、事故をいかに防ぐかが課題となっている。
7月中旬、江ノ電の事故現場を訪れると、ポールや「でんしゃがとおります」と書かれた進入止め、「線路内立ち入り禁止」を伝える立て看板が増設されていた。江ノ電によると6月10日に設置。事故当時は「危険」と書かれた進入止めが1つだけだったが、「訴求力の向上」のため増やしたという。
事故は稲村ケ崎─極楽寺間の線路で近くに住む女児がはねられ、意識不明の重体となった。鎌倉署によると、女児はごみを出しに行った帰りに線路を渡り、事故に遭ったとみられる。
「買い物やごみ出しなどで気をつけて渡っている」と60代男性。現場の線路は周辺住民らが日常的に通行しており、事故から3カ月が経った現在も散歩の女性や、学校帰りの小学生らが渡る姿も見られた。
踏切まで迂回すると数百メートル歩く必要もあり、近くの70代女性は「回り道を避けるためここが必要との気持ちは分かる。簡単には解決しないと思うが、事故を防ぐには一人一人がまず注意を尽くすしかないのでは」と話す。