沖縄・奄美世界遺産「金メダル取った気持ち」 やんばる、待ちわびた吉報に感無量

 沖縄県は26日夕、那覇市の県庁や沖縄島北部、西表島、奄美大島、徳之島などをインターネットでつないで試聴会を開き、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会の審議を見守った。登録が決まると、知事や市町村長らはくす玉を割り、喜びの声を上げた。やんばるでは商工会なども独自に祝福の場を設け、喜びを分かち合った。

 世界自然遺産の登録が決まると、吉報を待ちわびていた沖縄県のやんばるの関係者は地域を挙げて盛大に祝った。

 26日午後6時半ごろ、国頭村のくにがみ屋内運動場内では新型コロナウイルス感染拡大防止のため、参加者をやんばる3村の首長や関係者に限定し、10人余りが吉報を待った。首長らはモニターを食い入るように見つめ、登録決定のアナウンスが入ると万歳をして喜び、くす玉を割った。

 国頭村の知花靖村長は「大きな金メダルを取った気持ち」と感無量だった。村役場1階では職員らが集まり、世界遺産委員会の審議の中継を見守った。登録決定が分かると、万歳三唱をし、カチャーシーを舞った。役場の外壁には決定を知らせる幕が設置され、防災無線で「正式に登録決定しました」と伝えられた。

 その様子を眺めていた平良宗正さん(68)は「ずっと住んでいるから分かるが、やんばるの自然はすばらしい」と語った。一方「ごみを勝手に捨てる人がたくさん来ては困る」と懸念した。

 「おめでとう!世界の宝、やんばるの森」。国頭村の辺土名大通り会事務所前でも、住民らが手作りのくす玉を割って登録決定を祝った。街頭のちょうちんに光がともり、花火も打ち上げられた。通り会の平良里子理事は「みんなの思いがあって実現できた。やんばるの自然の魅力を再認識できる機会にもなる」と喜んだ。

 動画配信アプリ「TikTok(ティックトック)」などで人気の大田吉子さん(87)は、子どもたちと一緒に登録決定を祝うをくす玉を割った。「海には魚、川にはエビがいる大好きな国頭。その自然が、世界に認められてとってもうれしい」と満面の笑みを見せた。【関連ニュース】
▼【写真特集】世界自然遺産!やんばる、西表の生き物たち
▼やんばるの森に松葉づえなど投棄 世界遺産登録地の近く
▼ヤンバルクイナ交通事故が多発 「ゆっくり運転して」
▼ヘビからひなを守った! ヤンバルクイナの「勇姿」初撮影

© 株式会社琉球新報社