自然災害が増え2022年に火災保険がまた値上がり?保険料は最大36.6%上がる!

突然の激しい雨や、雷雨が発生する「ゲリラ豪雨」のシーズンは、7月から9月です。ウェザーニュースによると2021年の発生回数は昨年の1.2倍になる見込みだそうです。
火災保険での水災の備えは大丈夫でしょうか?

じつは、2022年に、またまた火災保険の値上げが実施されます。昨年(2020年)には、2021年に火災保険は値上がりをするという記事を書きました。このときの値上がりは、2017年〜2018年に起こった大規模な自然災害をもとに損害保険料率算出機構が出した「参考純率」によって保険料が見直されました。2022年の保険料の値上げは、2019年〜2020年に起こった自然災害をもとに同じく損害保険料算出機構による改定です。

各損害保険会社は、この「参考純率」の改定を踏まえて2022年には保険料が値上がりする見通しです。では、どのくらい値上がりをするのかというと、全国平均で10.9%です。
この平均で約1割以上というのは、過去最大の上げ幅になります。

それ以外にも長期契約がさらに短縮されることになります。これも実質の値上げになります。火災保険を検討中の方は、年内に契約または契約更新をすると得になりますね。今回は、火災保険の値上げについて解説をしましょう。


最大36.6%の値上げになる!

近年、超大型台風の発生、ゲリラ豪雨、集中豪雨をもたらした線状降水帯など、大規模な自然災害が発生しています。2017年から2020年の火災保険の保険金の支払額も大きくなっています。これが値上げの理由になります。

では、具体的にどのくらい値上がりをするのかというと平均で10.9%ですが、地域によっては値下がりしている地域とか逆に4割近くも値上がりしている地域もあります。もっとも値上げ率が大きかったのが沖縄で最大36.6%の値上がりです。一方、最小は山口県で、13.8%も値下がりするところもあります。ちなみに契約件数の多い東京都、大阪府、愛知県の3大都市圏の改定率は、下記の通りです。

条件は、築10年以上で保険金額を建物2000万円、家財1000万円とした場合の改定率です。

火災保険の保険料が決まるしくみとは

保険料について詳しく説明すると下記のようになります。

■建物の構造
建物構造は次の3つに分類されています。
M構造(鉄筋コンクリート造等で、マンションなどの共同住宅)
T構造(耐火構造、準耐火構造)
H構造(木造など)

■築年数
築が5年未満、5年以上10年未満、10年以上では、保険料も変わります。

■住んでいる地域
都道府県別に保険料の基準が設定されています。
これは、住んでいる地域で被害の確立が変わってくるのです。たとえば、北海道や東北地方は、雪害などの被害が多いですが、沖縄、九州などは台風の被害の可能性が高くなるからです。

実際の火災保険の保険料というのは、損害保険料算出機構が出した「純保険料率」に、各損害保険会社の必要な経費をプラスした「付加保険料率」が実際の保険料になるのです。ですので、損害保険会社によって保険料が違ってきます。

最長5年に期間が短縮される!

もうひとつの改定は、長期契約が最長10年から5年に短縮されることです。

これは世界的な気候変動、地球温暖化によって、大規模な自然災害が発生しています。10年先の災害リスクを予測するのが難しくなっているということです。そんな想定以上の災害が発生に対応するために契約期間の短縮になります。それは値上がりした保険料を反映しやすくさせることになります。

逆を言と、加入者からすれば、できるだけ長期契約をしておいた方が、どんどん値上がりする火災保険料を抑えることができます。さらに長期割引が適用されて、保険料が安くなるのでお得になります。

2015年10月までは、36年という長期契約もありました。以前に35年の長期契約で加入した人は、ずっとその間、保険料は変わらないので、お得な契約となります。

早めに火災保険の検討を

大規模な自然災害が毎年のように発生していて、その保険金も高額な支払いになっています。2年連続で1兆円を超える保険料の支払いが続くと損害保険会社の収益を圧迫することになります。しかし、損害保険会社は想定以上の災害が発生しても、保険金を支払えるように「異常危険準備金」というのを準備金しています。ですので、想定外の災害には、その準備金を取り崩して対応するようになっています。

一方、契約する方でも、自然災害のリスクに対応するためには、火災保険というのは重要です。もし、火災保険を検討する人、または火災保険の更新を検討している人は、値上がりする前に契約しておいた方がお得ですし、できれば10年の長期契約をしておくとさらにお得になります。検討してみましょう。

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