烏丸通りのビルで眠る京都市電N28

1895(明治28)年、日本で初めて営業用電車が走った地、京都。

当時、京都電気鉄道が敷いた約20kmの線路を走ったくるまが、いまも京都市内のビルのなかで静かに眠っている。

地下を京都市営地下鉄 烏丸線が走る烏丸通り沿い、北坂ビルディング。その1階ロビーに京都電気鉄道時代の京都市電N28(狭軌1形 No28)電車が保存されている。

ガラス壁のなかで眠るNo28は、北野と記された方向幕や、側面のNo28、社紋、台車やポールなどもきれいな状態。

のちにN電と呼ばれた理由

京都電気鉄道が敷いた線路の一部は、京都市に引き継がれ、京都市電としてあらためて路面電車ネットワークを広げていった。

この京都市電への市営化のさい、京都電気鉄道時代の狭軌から標準軌へと変更したことから、市が保有してた1形電車と区別すべく、狭軌(Narrow)の京都電気鉄道車両を「N電」と呼んだ。

また市営化当時、すべてが標準軌になると思いきや、堀川通りを行く堀川線は、京都電気鉄道時代の狭軌のまま残っていた。

そんな堀川線は、1961(昭和36)年に廃止されるまで、ポール集電・2軸単車の1形電車などが走り、注目を集めていた。

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