なでしこジャパンが２７日に行われた東京五輪１次リーグ最終戦のチリ戦（宮城）で１―０と快勝し、Ｅ組３位で決勝トーナメント進出を決めた。
日本は前戦の英国戦でベンチスタートだったエースＦＷ岩渕真奈がスタメンに復帰。その岩渕を中心に序盤から攻勢に出るも、決定力を欠いてしまい得点を奪えないまま前半を０―０で終える。
後半は一進一退の攻防が続く中、途中出場のＦＷ田中美南が大仕事をやってのける。終盤の３２分、ゴール前の混戦から右足で押し込んで値千金の先制ゴールを決めた。
汚名返上の一発だ。田中は１次リーグ初戦のカナダ戦で後半９分に、自ら得たＰＫでキッカーを志願しながら痛恨の失敗を喫した。その後は家族や友人、チームの同僚など多くの人から励まされたようで、この日の試合に向けて「良い意味で引きずっている。前向きに、絶対に取り返すという思いでいられるのは、そういう声があったおかげ」と強い覚悟を口にしていた。
大舞台で失敗を糧に活躍につなげた田中。悲願の金メダルへ向けて力強くチームをけん引してくれそうだ。
